春期講習の二日目は数学です。英語と同様に中1の範囲を総ざらいしました。一年間で習った範囲の全体を一気に見るとその人の癖などもはっきりとしてきます。
次の数量の関係を文字式に表せ。
xmを分速80mで歩いたら15分かかった
という問題に対して、80×15=x, x/80=15, x/15=80と3通りの答えを用意してくれたことです。速さの問題を深く理解していることがわかりました。
次のことがらについてyをxの式で表し、比例か反比例かどちらでもないかを示せ。
底辺がx㎝、高さがy㎝の三角形の面積は20平方㎝である。
この問題に対してKさんはx=1のとき、x=2のとき…とそれぞれyの値を求めてそれらを表にしました。これは関数を扱う際の正攻法です。しかしyをxの式で表すときに悩んでいました。発想を切り替えて三角形の面積の公式から、x×y×1/2=20という式を立てるところまではたどり着けたのですが、これをy=の式に変形するのに苦労していました。このようにいろいろな方面からアプローチすることは非常に大切です。
1つだけ悪い癖を指摘しておくと、せっかく丁寧に計算をしているのに、答えを解答欄に転写するときに-を抜かしたりするというミスが目立ちました。この癖を意識するとさらによくなります。
Oさんは理解するのが早いです。どの問題も、最も効率のよいやり方で解いていました。難しい文章題でも少し考え方を示しただけですぐに理解してしまいます。計算も速いです。
しかしその半面で粗さも目立ちました。計算のルールはきちんとわかっているのに、くだらない箇所で間違えるということが何度かありました。それを指摘するとすぐに修正してくれたので大きな問題ではありませんが、今のうちに計算の精度を高めておくと後で楽になります。あまり頭の中だけで計算してしまわずに、ややこしくなったら一行一行式を紙に書くことをおすすめします。
それぞれの生徒の癖をいち早く見抜き、適切な勉強法を教えてくださいました。生徒たちの飲み込みの早さとあいまって、日常の勉強によい刺激が加わり、よい見通しが得られたとしたら、うれしいですね。