0305中学数の基本B

浅野です。

Kさんは定期テスト対策として幾何の範囲の勉強をしていました。こちらは三角比とは違って、なじみの事柄に積み上げていく作業なので、じっくり取り組めば怖くありません。あせらず一つずつ理解していくことが大事です。

Cさんは今年度に習ったことの復習をさらに進めました。やはり忘れている事柄もあり、適宜思い出すという作業は有効です。また、学校でやった問題で納得しがたいものを質問してくれました。なかなかおもしろい問題ですので、ぜひみなさまも考えてみてください。

K君は友達の家に行くと1/5の確率で帽子を忘れます。A君、B君、C君の3人の家を訪問してから自分の家に戻ります。家に帰ってから帽子がないことに気づいたとき、その帽子をB君の家で忘れた確率を求めたいのです。A君、B君、C君の家を訪問する順番がランダムであれば、その求める確率は1/3ですが、A君、B君、C君の順で訪問したときにもその確率は1/3なのでしょうか?

直感的には同じく1/3のようにも思えます。こういうときは着実にそれぞれの確率を求めてみましょう。この場合全ての事象は、①A君の家で忘れる、②A君の家では忘れずにB君の家で忘れる、③A君とB君の家では忘れずにC君の家で忘れる、④どこでも忘れない、の4通りです。A君の家で忘れてかつB君の家でも忘れるということはできないことに注意です。それぞれの確率は
 ①=1/5(25/125)
 ②=4/5×1/5=4/25(20/125)
 ③=4/5×4/5×1/5=16/125
 ④=4/5×4/5×4/5=64/125
です。①~④を足し合わせると1になることから、これで全ての事象を覆いつくしていることが確認できます。

それでは求める確率はというと、②/①+②+③なので20/61となり、1/3とは異なります。A君の家で忘れていた確率が最も高く、C君の家で忘れていた確率が最も低くなるのです。

こうしたことをいっしょに考えると、Cさんの不満は解消されたようです。確率の分野は直感と数学的に求めた確率とのずれを楽しめるのが醍醐味ですね。