福西です。
『図形のお話』(中田寿幸、実業之日本社)のp110~122を読みました。
・立体図形を切るとできる形
・回転図形
の内容に触れました。
断面(切り口)を考えることとは、その図形より次元の下がった図形を考えることです。
立体の断面図は面。
面の断面図は線。
線の断面図は点。
点は0次元。線は1次元。面は2次元。立体は3次元です。
また、図形の境界(カバーになってもの)を考えても、次元が変化します。
球体の境界は球面。(3→2次元)
球面の境界は輪。(2→1次元)
輪の境界は点。(1→0次元)
また、立体に光を当てて、その影を見ると、影もまた次元が1つ落ちていることに気付きます。
小学校で習う図形は、計算メインの算数とは別物に思えます。
ですが将来的には、図形は「式」(方程式や不等式)になります。そしてその式を計算(おもに微分積分)することで、いろいろな問題を解くことができるようになります。
影や切り口、境界、回転体を考えることも、ゆくゆくは「計算せよ」と同じことになります。
残りの時間は、テキストのトピックにある「折り紙で多面体を作る」ことを実際にしました。
次元という概念ははじめてだと思い、以下のことを話しました。
【補足】次元について
では、点を1個持ってきて、「張り合わせ」を考えてみると、どうなるでしょうか…?
<1次元>
2つの点の「間」には、点よりも「1つ上」の次元の図形が現れています。これを「線」と呼んでいるわけです。
では、線をもう1本持ってきて、それ同士(の各点)を張り合わせてみると…。
<2次元>
平面は無限本の「線」の集まりです。
では、「立体」を作るには、どうしたらいいでしょうか。
それは、今できあがった「面」をもう1つ持ってきて、2つをつなぐことを考えます。
<3次元>
実際に見ることができる図形はここまでですが、生成方法がこれまでと同じなら、より高い次元の図形も同様に「考える」ことはできるはずです。それをやってみます。
今度は必要となる材料は、「立体」が2つです。「立体」にはその境界に面が6つあるので、これらを2つの立体の間で張り合わせることができれば、それが「4次元の図形」になるはずです。どんな感じになるかというと…。
こんな感じになります!
これを4次元の胞といいます。立方体を「4次元方向にずらした」と言ったほうが分かりやすいかもしれません。
ずらす間にできる空間が、「次の」(次元の)空間となります。
また、元の立方体が、4次元胞の「影」です。
あるいは、四次元の胞を切ると、その切り口が立方体です。(4次元の金太郎あめをイメージしてください)
次元を1つ上げたり下げたりして、そこから眺めることで、それ自身についてより詳しく調べる(解析する)ことができます。
たとえば、
「立体とは、立体である」
よりも、
「立体とは、それを2つの立体の部分にするためには、面を必要とする図形である」
「立体とは、上面、横面、正面の三つの面を影に持つ図形である」
と言い表した方が認識が深まります。
「A=A」という理解から「A=B」という理解へ進むことが、考えること、すなわち数学の楽しみです。