西洋古典を読む(2019/6/19)

福西です。

中学2年生のA君とマンツーマンで、ウェルギリウス『アエネーイス』(日本語訳)を読んでいます。

第1巻を読了しました。756行を50行ずつのペースで読んできました。

次の単語の登場箇所を原文で1つずつ確認し、第1巻全体を鳥瞰しました。

labor(苦しみ(主に物理的))、cura(苦しみ(主に心理的))、dolor(悲しみ、苦しみ)、metus(恐れ)

A君は現在、第1巻の要約を作っています。途中経過を読ませてもらいましたが、簡にして要を得ており、思わず唸りました。壮観でした。「幸福な者たちよ、その城壁がすでにそびえたっているとは!」(O fortunati,quorum iam moenia surgunt!((Aen.1.437))です。

つづいて、第2巻に入ります。

トロイア戦争の「木馬の計略」の下りです。さっそく48行目に「あの馬を信じるな」(equo ne credite,Teucri)という名台詞が出てきます。

A君はクイントゥス『トロイア戦記』(松田治訳、講談社学術文庫)も読んでいます。イーリアス周辺にも詳しいです。話に花が咲くのを楽しみにしています。

A君は家が遠いにもかかわらず、学校の試験期間であっても通ってきてくれます。負担がないかを気にしたところ、A君は「好きなことをしているので、いい息抜きになります」とのことでした。その時間の生きた使い方、本に対する熱意(studium)には頭が下がります。私も見習おうと思います。

取り急ぎ、近況のご報告まで。