ことば1~2年(2019/6/18)

福西です。

『黒ねこサンゴロウ2 キララの海へ』(竹下文子、偕成社)を読了しました。

ウミネコ島に戻ったサンゴロウは、体力の回復を待ちながら、静かな時間を過ごしています。

ガラス貝の運び賃は、船の修理代を差し引いても、だいぶ残りました。

サンゴロウは、サンゴ細工を一つ買います。それは夕焼け色で、鳥のすがたをしていました。

港へ出たサンゴロウは、海を見ながら、しばらく夕日を待ちます。

「そら。とんでいけ。」

手をひらいて、すこし高くさしあげてやると、鳥は、とびたった。

アッと思う終わり方です。サンゴ細工だったはずの鳥は、「水晶サンゴとおなじ色」の雲にむかって、消えていきます。

「鳥になりたい」と願ったミリの声が、サンゴロウの脳裏によみがえりました。

 

次回からシリーズの続編『黒ねこサンゴロウ3 やまねこの島』(竹下文子、偕成社)を読みます。

 

次の俳句を紹介しました。

やれ打つな蠅が手をすり足をする  一茶
五月雨をあつめて早し最上川    芭蕉
五月雨の降のこしてや光堂     芭蕉

蠅と五月雨が夏の季語です。

1句目は、「手をすり」「足をする」なので、注意しましょう。

2句目と3句目。五月雨は、今では六月の雨、つまり梅雨にたくさん降る雨のことです。そこから連想される流れの速さ。また暗い雨と明るい光堂とのコントラストが味わいです。

 

紙芝居『青の洞門』(堀尾青史/脚本、小野野半二/絵、童心社)を読みました。

名作です。菊池寛の『恩讐の彼方に』でも有名な内容です。岩山を二十年かけてくりぬいた僧の禅海と、彼を父の仇として追ってきた侍の実之助とが、最後に手を握るシーンが印象的です。

京都では岩倉図書館にあり、予約図書で借りることができます。まだ読んだことのない方には、おススメです。