福西です。
『はてしない物語』(エンデ、上田真而子ら訳、岩波書店)の「Ⅳ 群衆者イグラムール」を、途中まで(p91-98)読みました。
幸いの白竜フッフールとの出会いの章です。
嘆きの沼を後にしたアトレーユは、死の山脈へ向かいます。けれども道を失い、後戻りできなくなります。その山脈で、奈落のような崖に行きあたり、大きな蜘蛛の巣を発見します。イグラムールの巣でした。
この気味のわるい恐ろしい生きものは、実はその全体が一つの個体ではなく、無数の小さなはがね色の昆虫の集まりで、それが怒ったすずめ蜂のようにぶんぶんうなりながらびっしりかたまりあい、たえず形を変えているのだった。
そのイグラムールが、巣にかかった幸いの竜に襲いかかっているところでした。アトレーユはねばつくロープのような糸の上をなんとか渡って、イグラムールと幸いの竜の仲裁に入ります。アウリンを掲げながら。
このとき、読者のバスチアンは叫び声をあげます。すると、死の山脈にも声が響き渡ります。
受講生たちは、「展開がだんだん早くなってきた」という感想を述べていました。
残りの時間は、意味調べを確認しました。奈落や混沌といった単語から、ギリシャ神話の神々と中国のことわざ「渾沌の死」を紹介しました。