かず5年(0912)

福西です。だいぶ前の記事になりますが、このクラスの2回目の記録です。

 

この日は、数の因数分解と最小公倍数を取り上げました。

 

因数分解は、割り算のおさらいでもあります。たとえば以下のような、九九にない数が何で割り切れるかを考えました。

 

レベル1 92、95

レベル2 111、801

レベル3 301、327

レベル4 133、143

レベル5 289、299

 

レベル1は2か5で、レベル2は3で、レベル3は3か7で割り切れます。たいていの数は、7までの数(特に3と7)を試してみると、割り切れることが多いです。

 

しかしレベル4は少し手ごわくて、133はまだ7で割り切れますが、143は3でも7でも割り切れません。すなわち11ではじめて割り切れます。そしてレベル5は、小学生には少し酷ですが、289は17ではじめて割り切れます。(17×17=289を知っている人はピンと来たかもしれません)。また299は13で割り切れます。

 

このように、数には、割りやすい数と割りにくい数がある(そして、ぜんぜん割れないものが素数)ということを知ってもらい、自分で手ごわさを選んで、素因数分解に挑戦してもらいました。(授業で配ったプリントでは、レベルごとにそれぞれ10問ずつあります)。すなわち、同じ計算を、一つの興味を持って繰り返すことで、素因数分解なり、数に対する感覚を磨いてもらいました。(授業では、レベル1の問題は1つ倒すごとに経験値1が、レベル5は経験値5が手に入る、というように遊んでみました^^)

 

ちなみにレベルが同じ問題(これまたPRGで言えば、同じフィールド上)では、たいてい「同じ数で割り切れる」(弱点が同じ)ことが多いです。(たとえばレベル2の問題は、ほとんど3で割り切れます)。一方、高いレベルの問題では、13で割り切るなんて考え付かないぞと、最初はぞっとするかもしれませんが、一度割り切れる数を発見してしまえば、同じそれを試すことで、案外どれも割り切れる(ことが発見できる)ようになっています。(曰く、「13の剣を手に入れた」という展開で、それを装備すると俄然攻撃力が上がって、それまでの強敵が急に弱くなるような…(笑))

 

さて、もう一つの課題は、最小公倍数の「特訓」です。

 

(全部で95問。これができれば、分数の計算が相当強くなります)

 

(2,3)という書き方は、ここでは2と3の最小公倍数という意味とします。たとえば、

 

(2,4)=4

(10,6)=30

 

です。ここで、答がそれぞれ8や60ではないことがポイントです。これができるようになると、

1/2+1/4=という分数の計算を、

4/8+2/8=6/8=3/4

とはせずに、

2/4+1/4=3/4

と、パッパッとできるようになります。

 

すなわち、最小公倍数を考えることは、最初から約分しているようなものなので、その結果、あとで約分の作業が1回減ります。それは、計算が早くなるだけでなく、計算ミスの要因も減らすことになります。

 

実は上の二つの課題は、どちらか選択でしてもらいました。K君が割り算を、T君は最小公倍数を選んでくれました。どちらもそれぞれ、よくできていました。(K君はレベルアップに夢中になってくれて、T君はT君で95問を一発で全問正解し、自信を蓄えてくれていました)。

 

この日お休みだったもう一人のT君にも、最小公倍数の課題を送り、後日興味があれば因数分解もやってほしいと促しました。そして、家でしっかりとやってきてくれました。えらい!

 

ちなみに最初の因数分解の課題も、最小公倍数を考えることと、実は同じ頭を使っていることになります。(割り算かかけ算かという、逆から考えていることになります)。ですので、どちらを選んでくれたとしても、分数には強くなります。