福西です。
『西遊記(中)』(渡辺仙州翻案、偕成社)を読んでいます。
「十一 人参果」の章を読みました。
三蔵一行が宿にした寺で、ひと騒動が起こります。ごちそうに出されたのは、人参果という、世にも珍しい果物。一万年に三十個しか実らず、香りをかぐだけでも三百六十年長生きできるといいます。ただ、その実の形が人間(赤ん坊)そっくりだったので、三蔵は顔をそむけて固辞します。
ところが悟空たちは食べたくて仕方がありません。それで、こっそり果樹園に忍び込み、人参果を食べてしまいます。それを寺の童子に注意され、けんかになります。悟空はいつものかんしゃくを起こし、人参樹をめちゃめちゃにしてしまいます。
そのことで、寺の主である仙人と戦う羽目になります。仙人は強く、「弟子の不始末は師匠の責任」と三蔵をとらえてしまいます。悟空は三蔵を助けるために、人参樹を元通りにする方法を探してくる、と約束します。猶予は三日間。觔斗雲に乗って観音菩薩のもとへ行き、むりむり頼み込んで、なんとか助けてもらいます。
人参樹がもとどおりになると、仙人の機嫌はなおり、悟空と義兄弟になります。三蔵一行はまた旅を続けられるようになりました。
後半はまるで『走れメロス』だなと思いました。
今回の音読個所はいつもより長かったのですが、読み切ることができました。受講生たちの集中力のおかげです。
次回は、「白骨夫人」の章です。