西洋古典を読む(2019/4/17)

福西です。

このクラスではウェルギリウス『アエネーイス』を読んでいます。今年度もよろしくお願いいたします。

春休みの間に、A君が既読内容について要約を作ってくれました。力作でした。

お互いの要約を見せ合い、内容を吟味しました。それによって有益な時間を得ました。

A君が「要約を作りながら、読み返していると、新しい発見がありますね」と言っていました。

私もそれを実感します。

A君は、愛読している「シャルルマーニュの伝説」を今また読み返しているそうです。和訳されているもので入手できるのは、ブルフィンチ版しかなくて、詳しいことは英語の文献にあたるしかないそうです。「だから、英語で文献を読めるようになりたいのです」という強い意欲を伝えてくれました。

その夢は必ずかなう時が来ると信じています。

しかもそれを十代に思い描いたことがA君にとっての強みです。なぜなら、その能動的な夢は、その人にとっての原点になっていく部分であり、いわば自身の古典として、何度でも再読するチャンスに恵まれるからです。これからの時間をかけて、十代、二十代、三十代、四十代と、何度でも「よし、やろう」と意欲を燃やせるからです。そのどこかの時点で、ふっと突破口が開け、「いつの間にか、かなっている」ことが、現実になっているのだと思います。振り返った時にそれがはじめて分かるかっこうで。

「これらのこともいつか思い出すことが喜びとなるだろう」(1.203)

『アエネーイス』のこのセリフを合言葉に、一緒に学んでいきましょう。