本を読む場を守りたい

山下(太)です。

世の中で軽視されつつあり、しかし大事な取り組みとして、本を読むことの大事さを強調したいと思います。

誰もが手に取った本くらい読めると思いがちですが、最初から最後まで一字一句漏らさずに読み切るには忍耐がいります。

学校に目を移すと、教科書にはあらゆるジャンルの作品の抜粋が載っているだけで、それぞれの作家の作品の最初から最後まで一字も漏らさずに掲載することはふつうありません(短編小説は別)。

山の学校では、小学生から大人まで、日本語をはじめとしたいろいろな言語の作品(文学に限りません)を講師と受講生が綿密に読み進めます。

そこにはおのずと対話が生まれます。

一年で一冊のペースのクラスもあれば、二、三年で一冊というクラスもあります。

本を真剣に読むとはそういうことです。その経験に大きな意味があると思います。

古来そうして私たちは知の伝統を守り、今に至ります。

従来山の学校は立地的に限られたエリアの人しか参加できませんでしたが、この春からSkype対応も進めてまいります。

大事なのは、この本を読みたい、読み切りたい、という熱い願望です。それを共有する場を私たちは守りたいと思っています。