西洋古典を読む(2019/1/16)

福西です。

ウェルギリウスの『アエネーイス』を読み始めました。

 

『アエネーイス』(岡道男・高橋宏幸訳、西洋古典叢書)

『アエネーイス』(杉本正俊訳、新評社)

と、『アエネーイス』第一巻訳を使います。

「戦争と一人の英雄を私は歌う」ということで、これからトロイア戦争の落ち武者であるアエネーアスの苦労を追います。

22行まで進みました。

冒頭で、詩人ウェルギリウスが、叙事詩の伝統にのっとって、詩の女神ムーサたちに呼びかけます。

ユピテル(ゼウス)の妻であるユーノー(ヘーラー)は、なぜそれほどまでもトロイア人に対して怒っているのか。

そしてこの物語の最後では、ユーノーはどのような交換条件でその怒りを鎮め、ユピテルの語った「未来のローマ」にうなずけるようになるのか。

そうなるまでの間、ユーノーの怒りによって、アエネーアス(がローマの礎を築くこと)には、どれほどの苦しみが待ち受けていたのか。

その顛末を、ムーサの力を借りて、詩人はこれから語っていくことになります。なので、私たちも、「ユーノーの視点」と「ユピテルの視点」、そして「アエネーアスの視点」、もっというと「それを読んでいた当時のローマ人の視点」から、どのようなイメージが広がるのかを想像しながら、読んでいくことになります。

 

私からはまず、「怒りを歌え、女神よ」ではじまる『イリアス』のプロットと、ユーノーに冠された形容詞saeva(非情な、容赦のない、激しい、怒り狂ったetc.)のことを、予備知識として説明しました。

また、以下のことが話題になりました。

ユーノーの神意、ラウィーニウム(地図上の場所)、アルバ・ロンガ、サモス島とユーノーとの関係、カルターゴ、予言の女神パルカたち。fatum(運命)、pietas(敬虔さ)、virtus(勇敢さ)。

A君は、史実のカルターゴの軍事力は、エジプトほど弱くはないにせよ、傭兵で成り立っていること、バルカ家に依存すること大であること、軍事だけならヌミディアの方が強いことを、歴史方面からコメントして教えてくれました。(エジプト<<カルターゴ<<ヌミディア)

 

次回は23-75まで読む予定です。