西洋の児童文学を読む(2019/1/10)

『白い盾の少年騎士(上)』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)を読んでいます。第1章の4を読みました。

S君の要約です。

イディアンらが来た翌日、エヴィランから騎士が二人きた。城に入れるかでもめたが、イディアンはかくれて二人は入った。早速クラトンとティリロがもめ出し、空気が悪くなった。よっぱらっているクラトンがイディアンに出てくるよう呼ぶと、イディアンは出てきた。そこにはウナーヴェンの皇太子が立っており、エヴィランの二人はあわてた。

Hさんの要約です。

リストリディンはまだ姿を見せない。ティウリはイディアン騎士に関心をもった。秘密めいた人だ……。南から、メラス騎士とクラトン騎士がやって来た。クラトン騎士はとげとげしいことをウナーヴェンの騎士にあびせた。そして、どこかにいるイディアン騎士を呼んだ。呼んで分かった。イディアン騎士は、皇太子だ……。

前作の『王への手紙』では、ウナーヴェン国に対するエヴィラン国の和解の申し出が虚偽であったことが判明し、ウナーヴェン国は戦い抜く決意をしました。それはティウリとピアックの届けた「手紙」のおかげでした。そして『白い盾の少年騎士』では、ウナーヴェン国とエヴィラン国の戦いのかけひきが、中立国であるダホナウト国を舞台に描かれます。

リストリディン騎士の帰りを待っていると、急展開がおとずれます。イディアン騎士の正体は、ウナーヴェン国のイリディアン皇太子でした。

居合わせたエヴィラン国のクラトン騎士とメラス騎士は、彼の登場に驚きます。自身の仕えるエヴィラン国王にそっくりだからです。また、クラトン騎士はもとウナーヴェンの騎士でした。それで二重の動揺が見られます。

ティウリとピアックは緊張して、事の成りゆきを見守ります。

ウナーヴェン国王の子は双子で、兄イリディアンは皇太子。弟フィリディアンは何も持たされない。それを不服とした弟は出奔、南にエヴィラン国を建てたというのが、物語の背景です。