西洋の児童文学を読む(2018/12/6)

福西です。冬学期もよろしくお願いいたします。

『白い盾の少年騎士(上)』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)を読んでいます。第1章の2を読みました。

S君の要約です。

ティウリとピアックは、リストリディン城に向かった。そこでリストリディンに関する詳細を知る。城ではベンドゥーとアルトゥリンがエトヴィネムのことでもめていた。

いつものように語句、共感、印象的な表現、気付いたことをそれぞれ出し合いました。また、読んだところに関して、質問の受け答えをしました。

S君が「ピアックが大山脈を見ても、以前のように『帰りたい』と言わないのはなぜだろう?」と質問しました。それに対し、「盾持ちとしての新しい自分に誇りを持っているから寂しくないのだろう」というのが、Hさんの意見でした。

ティウリとピアックは、灰色の騎士たちと交わした「春になったらリストリディン城で会おう」という先の約束通り、リストリディン城に来ています。灰色の騎士の一人ベンドゥーと再会し、喜びを分かち合います。

しかしリストリディンは不在でした。城主アルトゥリンの話から、「森をもっと西へ奥深く入り、みどりの男たちをさがすつもりだ」という短い手紙が届いたきりだと知り、みんなで心配します。

城主アルトゥリンはリストリディンの弟ですが、兄とは風貌も性格もだいぶ異なっていることが印象的でした。そのアルトゥリンとベンドゥーとの「価値観の相違」を見る会話が交わされます。

ベンドゥーはエトヴィネムの仇である赤い盾の黒い騎士を探すことをあきらめておらず、「誓いを忘れる者は、名誉を失う」と息巻いています。一方、アルトゥリンは「お好きなように」と言い、われわれダホナウト国ではなくウナーヴェン国に任せておけばよいという考えです。その二人の様子を見て、ティウリとピアックが顔を見合わせるシーンがありました。

音読の後、ところどころ身振りを付けて演じてみました。