ことば5~6年(2018/6/14)

福西です。

小、中学生、あるいは大人が作った、いろいろな俳句を眺めているうちに、SizukuちゃんがTomoya君に「二人で句集を作ろうか」と持ちかけました。

句集を作るには、まずたくさんの俳句をストックすることが必要です。次に、その中からいいと思われる句を選び出します。並べ方(順番)も工夫します。最後に、全体にふさわしい題名を付けて、できあがりです。

さっそくこのあと、俳句を作りに外に出かけました。その際、歳時記も携帯しました。

8月のこよみをゆらす冷たい風 Tomoya

日めくりも8月になりセミの声 Tomoya

鉄さびれチェーンもさびれブランコよ Sizuku

梅雨の音電しん柱の音階よ Sizuku

あじさいや半分青くて日の光 Sizuku

8月のこよみとこよみをにらめっこ Sizuku

ライオンの目と目を見れば夏休み Sizuku

雨の夜せみの歌声ズズズズズ Sizuku

 

8月のこよみをゆらす冷たい風

Tomoya君がかなり推敲してくれた句です。まず、字数を節約する都合、最初に置いていた「カレンダー」に代わって、「こよみ」という言葉を思いつきました。

「冷たい風」とあるので、この「こよみ」で切り取られた時間は、8月は8月でも、夏休みの終わりのことでしょう。俳句の上では7月が晩夏で、8月は初秋にあたります。「まるで秋の風がこよみを8月から9月にめくろうとしている。でもまだそうせずにいるんだなあ、冷たい風は」、そんな句意が十分伝わってきます。下五の「冷たい風」という字余りに、作者の詠嘆も感じられます。

あじさいや半分青くて日の光

この句はSizukuちゃん。あじさいは別名「七変化」ともいいますが、半分青くなっている青い方か、まだそうではない白い方か、どちらかに、日の光が当たっています。その情景が素直に詠み込まれています。もし添削がいるとすれば、中七の字余りです。(中七は字余りにしない方がいいです)。「あじさいや半分青き日の光」としてみてはいかがでしょうか。その場合、「半分青い日の光」と「あじさい」との取合せになります。