かいがB(2018/05/24)

担当の梁川です。

クラスが始まる前のことです。教室の外の流し台の上に、一匹の虫がひっくり返っていました。昨日もその場所で見かけた虫なので、流し台から出られずに死んでしまったのかな?と思って、指先につけた水を口につけてやると、もぞっと動き出して、指に掴まって歩き出しました。

嬉しくなったので、早めに教室にきていたAoiちゃんに見せて、一緒に観察していました。
その時、教室に入るなりHannaちゃんとSaeちゃんが、私が腕に這わせているそれを見て「うわぁ」とおののきました。

「すごくかわいい目してるよ。そしてこちょばいよ。」と言って、センセイと虫との出会いを伝えると、二人とも手に乗せて、くすぐったがり、その虫のかわいさに気づいてくれました。

「何食べるのかな??」と聞かれましたが、私も分かりません。
図鑑で調べてみると、それは、ヒゲコメツキのようでした。肉食で、樹液にも集まるらしい、ということで、ちょうど昆虫トラップ用に用意していた蜂蜜があったことを思い出し、指につけて口の方へもっていくと、夢中でもぐもぐと吸ってくれました!

そんな様子をみんなで観察するところから、この日のクラスは始まりました。
「先生、あの虫いるかな?」と、Aoiちゃんが去年描いた虫を思い出しました。また、描きたいと言います。ちょうどシーズンだから、見に行こう!ということで、園庭へいくと、次々に沢山見つかりました。

シロコブゾウムシ、というその虫たちを、5人の女の子たちは大変かわいく思ってくれました。ある人は指先に乗せながら、ある人は鉛筆にしがみついているところを観察しながら描きます。
よく歩くこもいるので、なかなか苦戦していましたが、みんな一生懸命観察していました。
ピコピコあるくので、「ピコ」(Hanna)、チョコレート色なので「チョコ」(Sae)などと名前も付けられました。

一方、「今日は薔薇を描きたい!」と言って、実際に見て撮ってきた薔薇の写真を持参したYukiちゃんは、色鉛筆で色を重ねる表現をしてみたいようでした。そこでスケッチブックにまず色を重ねる実験をして、写真の薔薇の色の再現を試みました。よい感じです。
それでも、実際の薔薇の色になるかなぁ・・・と心配しているようなので、「そもそも、薔薇の『本当の色』は、どこにあるのか」ということについて、対話をしました。
また、形については、最初は大まかにとらえればよいことを実演して示唆しました。

ちょうど、園庭で空を見上げながら、大きな一輪の花を描いていたFukiちゃんのタッチが参考になると思い、それも見てもらいました。

これからも、沢山の試行錯誤を続けながら、気に入ったモチーフは何度でも描いてみるとよいと思います。そうすると、ゾウムシでも、花でも、次第に「自分のもの」になっていくことでしょう。