福西です。
この日は、次の絵本を読みました。
『あつさのせい?』(スズキコージ/文・絵、福音館書店)
順番に落とし物をし、その落とし物を拾っていく、リレーのような話です。動物が擬人化されていて、なんだか他人事ではないような気持にさせられます。生徒たちは、絵の細部に発見したことをつぎつぎと報告してくれました。
詠み終えた後、「何が出てきたでしょう?」というクイズをしました。それで面白く振り返りました。
『アリとハト』(蜂飼耳/文、水沢そら/絵、岩崎書店)
透明を重ねたような絵が印象的でした。蟻がおぼれているところに、強く引き込まれました。助けた相手から助けられる。短い分、ゆっくりと思いを込めて読みました。やさしくなれる話でした。
後半は、「どくだみ」(十薬)という夏の季語を紹介しました。それを道ばたに観察しに行きました。
どくだみの白い部分(苞といって、実は花ではない)は、1枚ずつ開きます。
目につくのは、白い十字のような4枚の状態です。
しかし、よーく観察すると、つぼみ、1枚、2枚、3枚のものがあることに気づきます。そして開いていない苞は、まん中の黄色い棒の部分(これが花)を包んでいます。
その恥ずかしそうな花の様子を、伝えたいと思いました。
また、どくだみの葉の色をたずねました。
「深緑!」
と生徒から返答がありました。緑でもなく、黄緑でもなく、「深緑」。しっかり見ていることに感心しました。
では、葉のふちは、何色でしょうか?
観察してみると、それは赤色でした。
その赤色がまざって、緑色がより濃く目に映ります。人によっては、これが毒々しい色に見えるかもしれません。(臭いとも相まって)
では、雨に濡れると、どうなるでしょうか。
不思議と葉のふちの赤色が消えて、まるで化粧をしたように、真緑に見えます。
するとその上に咲く十字の白が、より引き立って、私たちの目に飛び込んでくるようになります。
それはそれは目の覚めるような、蝋のような白色です。
また、雨の日に観察してみてください。