山びこ通信」2017年度冬学期号より下記の記事を転載致します。
『つくる』1〜2年
担当 山中 壱朗
冬学期では、大きい作品を作る際にグループで取り組むこともありますが、各々で違う作品に取り組むことが大半です。自分のペースで取り組むことができる分、素材や大きさ、色など決めなければならないことはたくさんあります。また、同じ目的であっても何を使うかという選択肢は様々で、たとえば色の付け方(ペン、スプレー、色紙など)、貼る(テープ、のり、ボンドなど) 、切る(はさみ、カッター、手でちぎるなど)が挙げられます。いずれも基本的な動作ですが、どれを選ぶかによって作品の見た目やキャラクターに大きく影響します。
このクラスでの私の役割は道具の出し入れがほとんどとなりつつありますが、手が止まるような場面では、いくつか提案をしてそれぞれを試してもらうようにしております。ここでは箱に弦(輪ゴム)を張る場面について触れますが、箱に切り込みを入れて切り込みに輪ゴムをはめる方法と、輪ゴムを切って両末端の結び目で固定する方法を試してもらいました(時間があれば弦の素材、太さや張力の違いも比べたいと思いました)。写真の通り既に作っていた箱の強度のことも踏まえて、うまく作品に取り入れてくれました。
「つくる」を担当してもうすぐ1年が経ちますが、雑談を交えながらも作業のときに時折見せる真剣な表情、そして作者の「こだわり」が感じられる作品を春学期から何度も目にしてきました。私は「つくる」のときの様子しか見ることはできませんが、学校や家庭での生活を通して「軸」がしっかりと形成されており、言葉には出さずともお互いの良い部分を認め合うこと、良いと感じた部分を自身の作品に取り入れられるかを絶えず考えることが自然とできているように思えます。