7/4 歴史入門(高校)

岸本です。

今日は、第二次世界大戦後の世界、特に冷戦体制の成立についてみていきました。

 

第二次世界大戦は、ヨーロッパだけでなく、世界全体を大きく変えるものでした。

世界地図も、第二次世界大戦後から、現在のものに近づいていきます。

ヨーロッパでは、ソ連が東欧諸国を社会主義圏に組み入れると、それに対抗したアメリカは西欧やギリシア、トルコなどに資金援助を行う「封じ込め」政策を行います。

この東西対立は、ベルリン封鎖を経て、東西ドイツの分立に至ります。

生徒さんとは、ポーランドへのドイツ領の割譲が話題となりました。

というのも、そこに住んでいたドイツ人が追放されたからです。

領土の変更が単に紙の上に線を引くだけでないということがよくわかる実例でした。

 

アジアに目を移すと、中国では再び国共内戦が生じ、蒋介石率いる中華民国は台湾に逃れ、中国本土では中華人民共和国が成立したのです。

朝鮮半島でも、アメリカの支援する大韓民国とソ連の支援する朝鮮民主主義人民共和国が成立、朝鮮戦争を経て現在に続く南北分立が決定づけられました。

東アジアにも、米ソを軸とする東西対立が影を落としていたのです。

欧米列強の植民地であった東南アジアでは、日本の敗戦後、すぐに独立運動がおこります。

旧宗主国との対立があったベトナムやインドネシアもありましたが、多くの国々が独立を果たしました。

インドも念願の独立を成し遂げたものの、ムスリムとの対立から、パキスタンは分離独立しました。

 

こうして、アジアでは多くの国々が独立しましたが、世界は米ソの二極を軸とする冷戦体制が支配的となっていきました。

「熱戦」となった朝鮮戦争を契機に、アメリカはソ連・中国を囲むように同盟網を広げます。

ソ連もそれに対抗して、ワルシャワ条約機構や核兵器の開発を進めていくのです。

日本の独立回復も、このような情勢下で行われたもので、アメリカとの同盟あってのものだったのです。

生徒さんは、サンフランシスコ平和条約での日本の領土変更に興味を持ち、現在でも日本に領土問題があることを指摘してくれました。

島国であるがゆえに、なかなか実感できないものですが、世界を視野に入れることで現在の問題を理解できるようになったのではないでしょうか。

もしそうであれば、このクラスの意義も少しはあったのでしょう。

来週で春学期も終わりですが、冷戦の推移と、第三世界の登場を扱えればと思います。