西洋の児童文学を読む(2017/11/30)

福西です。

トンケ・ドラフト『王への手紙(上)』(西村由美訳、岩波文庫)を読んでいます。 この日は、第4章4『赤い騎兵たちの襲撃』を読みました。

今回の司会はT君。

出てきた意見を以下にまとめました。

【気づいたこと】

・冒頭のティウリの夢が「……」で始まり「……」で終わっている。

・ティウリの夢は予言的。

・「彼のところまでは遠すぎる」には、意味が二つあると思われる。

1)夢の中のエトヴィネムを助けたくても、彼が遠くに行きすぎて助けられないこと。

2)エトヴィネムの気高さに、ティウリが追いつけないこと。

・「われらをそちらに引きつけたかっただけだ。」(p291)という発言から、「右がわの森から、とつぜん、大きなさけび声があがった。」(p284)は、おびきよせる罠だったことがわかる。

・ベンドゥーは、ティウリが赤い騎兵に狙われたことから、ティウリを信じ始める(彼が赤い騎兵の仲間ではないと)。

・「密偵」という言葉が多く出てくるようになった。

 

【要約と語彙】(T君)

ティウリが食堂に行くと、リストリディンが下男に問いかけていた。そして、出発した。森に行くと、赤い服を着た人がいた。そのとき、騎兵が襲ってきた。命と手紙をねらう襲撃者だ。剣をぬくと、もう一人に襲われたがくいとめた。しかし一人に腕をさされ、意識を失った。そして(意識を)取り戻した。騎兵は逃げ、(ティウリの)仲間たちが追った。仲間が帰ってきた。一人しばられた男がいた。リストリディンは男を領主に引きわたすことにした。ティウリは任務がひどく重く感じられた。

護衛(ごえい)そばにつきそって守ること。

敬服(けいふく)感心して尊敬すること。

残忍(ざんにん)ひどいことやむごいことを平気でするようす。

二の腕(にのうで)肩からひじまでの間の部分。

 

【共感したところ】

p279(T君)

ティウリの目には、黒い馬、アルダンヴェンに乗ったエトヴィネム騎士の姿が、遠くに見えた。だが、決して追いつくことはできない。

p280(S君)

ちょっと考えて、やっと夢と現実の区別がついた。

p290(福西)

「われらの中でもっとも危険な状況にいるのは、そなただ。」

p290(福西)

「ああ、もちろんだ。」リストリディンがにっこり笑って言った。

p291(Hさん)

「騎兵たちは、そなたを手に入れられないと見ると、ウサギのように逃げていったからな。」

p292(S君、Hさん)

ベンドゥーの声はあいかわらず不愛想だったが、その声に別のひびきがあるのを、ティウリは聞きとった。

p294(Hさん)

灰色の騎士たちのするどい視線に、すぐにぺらぺらとしゃべりだした。

 

【筋に関係するところ】

p293「エヴィランの黒い武具をつけた兵士を二人見かけました。」

秋学期の授業はこれで最後です。冬学期の初回は、12月14日(木)です。この日だけ、時間が17:30~18:30になります。よろしくお願いいたします。