「山びこ通信」2017年度秋学期号より下記の記事を転載致します。
『ギリシャ語初級』『ギリシャ語中級』A・B 『ギリシャ語上級』A・B
『ラテン語初級』 『ラテン語中級』A・B』 『ラテン語上級』
担当 広川 直幸
ギリシャ語、ラテン語の授業は、初級、中級、上級の三つのレベルに分けている。授業レベルの大体の目安は、初級は初心者向けの入門、中級は散文あるいは平易な韻文の講読、上級は韻文あるいは難解な散文の講読である。経験者は中級以上からの受講が可能な場合があるので、興味がある授業があれば気軽に問い合わせてもらいたい。
今学期は「ラテン語初級」と「ラテン語中級B」を新規開講した。ラテン語初級では、Hans H. Ørberg, Lingua Latina I: Familia Romana(教科書)とExercitia Latina(問題集)を用いて初歩から古典ラテン語を学んでいる。初めから終わりまでラテン語だけで書かれた教科書で、先ず文章を読んで、次にそれを真似して問題(ほぼラテン語作文)を解くという形式なので、コツをつかむのに少し時間がかかると思うが、慣れてしまえば、ラテン語を使う頭の回路ができてくるので、それを楽しみに頑張ってもらいたい。ラテン語中級Bではプリーニウスの『博物誌』第7巻を読み始めた。世界の果ての不思議な人間(?)がたくさんでてくることで有名な巻である。文章に凝るというよりは情報を詰め込むという態度で書かれているからか、ラテン語に独特の難しさがあるが、幸い数年前に学生向けの註釈書がイギリスで出版されたので、それを用いて読み進めている。
従来からの授業はというと、ギリシャ語初級は、Peckett & Munday, Thrasymachusを用いて、古典ギリシャ語の初歩を学んでいる。夏期講習を行ったおかげで順調に進んでいる。中級以上はというと、ギリシャ語中級Aはルキアノスの『本当の話』を、ギリシャ語中級Bはプラトーンの『ソークラテースの弁明』を引き続き読んでいる。ラテン語中級Aはキケローの『カティリーナ弾劾演説』。今学期中に第一演説が終わりそうなので、その後は読むものを変えるかもしれない。ギリシャ語上級Aはアイスキュロスの『ペルシャ人』。山の学校で読むアイスキュロスはこれで三作品目である。ギリシャ語上級Bはロンギノスの『崇高について』を少しずつ読んでいる。ラテン語上級は引き続きCatullusを講読している。もうすぐ長めの詩を集めた中盤が終わる。それぞれの授業の学期ごとの進度は山の学校のホームページに掲載するので、そちらで確認してもらいたい。