ラテン語クラス紹介

山びこ通信の最新号から、ラテン語クラスの記事を抜粋してお伝えいたします。

『ラテン語入門』

 今学期は、お一人が受講されています。通常は一回あたり4課ずつ進むのですが、今回は意欲的な方で、一回に5課ずつ進んでいます。速く進むと毎週の課題をこなすのは大変ですが、そのぶん身に付くのも速くなると思います。その意味で、語学にはスピードも大事ですね。
 「初級文法」は文法の講座なので、どうしても理屈が多くなってしまいます。文法の学び自体は、多少分からないところがあってもさっさと終えてしまい、実際の本文を読むことが有益です。それから文法を復習しつつ読解していっても遅くはありません。
 あなたも、ラテン語を始めて見ませんか。2000年前の文章は、あまりにも現代的な姿を見せることがあります。翻訳では伝えきれない、ラテン語原文を味わうことは一生の楽しみとなります。「山の学校」ではこれまで、大学生から定年を超えた方まで、たくさんの方にラテン語の魅力を伝えてきました。新しい学期には、新しい仲間を募集しています。ご不明な点やご心配な点は、どうぞ遠慮なくお問い合わせください。

『ラテン語初級講読』
 この学期ではセネカの『ルキリウスへの手紙』を読んでいます。一つ前の学期に初級文法を終えたばかりの方が多いこともあり、文法事項の確認を丁寧に行いながら、ラテン語原文を読んでいきます。近年に日本語訳も揃いましたので、邦訳も適宜参照しながら、訳とは違うラテン語原文のニュアンスを感じ取りながら読んでいます。
 登録は4名と、山の学校のラテン語クラスとしては過去最大の人数となりました。残念ながらご都合で途中から抜けられた方がいらっしゃいますが、残り3名で毎週和気藹々と学びを続けています。
 次学期も引き続きセネカの書簡を読む予定です。初級文法を既に終えた方なら、どなたでもご参加できます。

『ラテン語中級講読』
 「中級講読」のクラスでは、キケローの『友情について』とウェルギリウスの『農耕詩』を読んでいます。『友情について』は岩波文庫にも入っているポピュラーな作品で、翻訳もすばらしいのでご一読をお奨めします。一方、『農耕詩』は京都大学学術出版会から翻訳が出ています。日本では知名度が低いようですが、ヨーロッパでは「最高の詩人による最高の作品」(ドライデン)と評価されています。今これらの作品をじっくり読み直す機会を得て感じることは、どちらもある程度年齢を重ねてこそ味わえる作品だということです。ラテン語を学ぶ上で、文法や語彙の知識は不可欠ですが、これらの知識はラテン語を「読む」ための道具に過ぎません。「大人」の学習者には「年齢」(経験)という武器があり、ウェルギリウスやキケローの読解にこれを生かさない手はありません。今講読のクラスに参加されている方は、みな「山の学校」で初級文法を終えた方ばかりですが、読解を通じて文法と語彙の力を伸ばす一方、それぞれの立場で培ってこられた人生観を作家のそれと照らし合わせることにより、深く原文を読み解く楽しさを経験していただいています。