『つくる』4~6年クラス便り(2017年6月)

「山びこ通信」2017年度春学期号より下記の記事を転載致します。

『つくる』4~6年

担当 福西 亮馬

 春学期の前半は、プラスチックや空き箱を組み合わせた「がらくた工作」、ゴム動力バットの「野球盤」、そして「大型ビー玉スライダー」を作りました。ビー玉を使ったからくりとの相性がわりと見られます。
 学年が上がるにつれて、「こんなものが作りたい!」という夢はだんだん複雑多岐になります。また完成予想と完成結果とのズレに対する自意識もより一層シビアになります。自身の完成予想の複雑さと80分という枠内で作れるかという現実性、そして1回ずつの達成感との兼ね合いは、毎回を通して私の課題です。
 そこでいったんリセットして思うのは、やはり複雑さに憧れる今だからこそ、その基礎である単純さに目を向ける必要性です。単純が「良い複雑」を生むのであって、最初からある複雑はどうしても「悪い複雑」を生みます。ブロック遊びがその例ですが、より研究されたシンプルさが、より高い応用力を持っています。なじみの深い素材ほど各自の応用できる余白は広がります。そこでクラスでは、複雑な道具立てを準備するよりも、ますます「単純な物で何ができるか」に的を絞っていくことを心がけたいと思います。そして技を教えるよりもコンセプトが生まれることを大事にしたいと思います。
 今号の『つくる1~2年』クラスの記事で、山中先生が「作りたいものを形にできる場」と書いておられますが、私もそれが「つくる」の原点だと思います。そこにまた立ち返って、次学期も挑戦したいと思います。