浅野です。
フランシス・フクヤマの『歴史の終わり――歴史の「終点」に立つ最後の人間』を紹介したからには、ハンチントンの『文明の衝突』も紹介しないわけにはいきません。
どちらも冷戦後の世界情勢を考察しています。ハンチントンはフクヤマと違って西洋的な価値観が浸透して歴史が終わるのではなく、イスラム文明や中華文明などと共存し、時には衝突すると論じます。
これらの本が出版されて20年ほどが経過した今から振り返ると、個人的にはハンチントンの主張のほうが当たっているかなと思います。イスラム教徒によるテロ、アメリカ国内のメキシコ系移民問題、北朝鮮の核開発は韓国や日本というよりもアメリカに向けたものだという記述が、最近のニュースと符合するからです。