山下です。
水曜日はキケローの「友情について」を読んでいます。
47節 Quod si.. 以下から48節の最後まで読みました。人間には魂があり、それは煩わしさや苛立ち、不安の一切を受け入れながら、人とのかかわりを求めます。sapiens (賢者)は cura と無縁の人ではなく、むしろ cura とともにある人である、という言い方がなされます。暗にエピクーロス哲学の考えを批判しているわけです。同じような主張、同じような表現が適当な間隔を置いて繰り返されます。らせん状の階段をゆっくり登るように、また、登るにつれて、次第に視界が広がっていくように、キケローの主張は読者の胸に刻まれていきます。