『中学英語』1〜2年 『中学英語』3年 クラス便り(2017年6月)

「山びこ通信」2017年度春学期号より下記の記事を転載致します。

『中学英語』(1〜2年)、『中学英語』(3年)

担当 吉川 弘晃

 新年度を迎えた中学英語のクラスですが、反復と音読を重視する方針は変わっていません。改めて確認しておきますが、日本の中学校の英語カリキュラムは、全体の英語学習のうちで最低限の基礎を作っています。つまり、教科書に出てくる文法事項はおろか、単語や熟語、コラムに至るまで、覚えなくていいものは何一つありません。高校受験まで1年を切った中学3年の方はより一層の復習を心がけましょう。そして中学2年の方も復習を心がけると同時に「学校でまだやっていない」3年の分野にも興味をもってみましょう。
 学年に関係なく継続してほしいのは特に単語の学習です。授業では毎回、CD付きの単語教材を用いて、単語テストを行っています。何度も繰り返すうちに生徒の皆さんの点数は上がり続けていますが、単語テスト以外の場で覚えたはずの単語のスペルを間違えるのを目にすることもよくあります。以下では発音と綴りの関係という点から単語学習のコツを説明します。
 そもそも、他の西洋諸言語に比べて英語の単語暗記はそれほど簡単ではありません。なぜなら、英語の発音と綴りのルールは多岐に渡るにもかかわらず、日本の中学校でそうしたルール(フォニックス)を一定の時間をかけて教えるところは少ないからです。例えば、Octoberを「オクトーバー」と発音する人が多いですが、正しくは、母音oは口を大きく開いて欠伸を出す感じで「ア」と発音します。だから、「10月」をOctoberと正しく書けても、「アクトーバー」と発音できなければ、この単語を暗記したことにはなりません。同様に、boxは「バックス」ですし、oliveは「アリーヴ」のようになるのです。
 授業でも改めてフォニックスを扱うつもりですが、生徒さん自身にとって最もためになるのは、付属のCDを自分の耳でよく聞いて、何度も自分の口で真似てみることです。この過程を抜かして単語教材を書き写しても効果はありませんし、黙読するのは言語道断です。① CDを聞く、② 発音を真似る、③ 紙に書くという3つの作業を必ずセットで行ってください。そうすれば自分の頭の中に自然と、母音oは「ア」、uは「アッ」という感じだろう、という風に綴りと発音の関係のルールが身についてくるでしょう。
 こうした学習方法はかなりの苦労と時間を要するのは言うまでもありません。しかし、楽をして覚えた単語や熟語はすぐに頭の穴から抜けていくでしょう。耳と口、手、時には身体全体を使って覚えれば、その穴は小さくなり、結果的に単語学習の近道となるのです。