4/25 歴史入門(高校)

岸本です。

昼間は暑いぐらいですが、夜はこの時期が過ごしやすいですね。

心地よい環境の中、今日はアフリカをはじめとする諸地域の植民地化を見ていきました。

 

はじめに、生徒さんのアフリカのイメージを尋ねてみました。

「ピラミッド」、「砂漠」といったものが挙がりました。どうやらエジプトの印象が強いようです。

他方で、議論の途中には「貧困地域」というワードも出てきました。

このイメージの違いは何を表しているのでしょうか。

一言でいえば、サハラ以北か以南かという地理的違いだと私は考えます。

サハラ以北は、アフリカ北部というより地中海の南縁です。

エジプト文明と関連深いギリシアやローマ、カルタゴといった地中海の古代文明がそこで栄えたことからも、このことは示唆されます。

他方で、サハラ以南は奴隷の供給地であったことに加え、植民地化による搾取も大きく影響し、現在でも貧しい国が集中する地域となっているのです。

こう考えると、アフリカ大陸を一つの地域と一括して扱うのは、少し早計な気もしてきます。

むしろ、西欧列強の植民地化という要素が、現在のそうししたアフリカ観を形成させたのかもしれませんね。

生徒さんとの議論から、いろいろな点に気付けるのはこのクラスの良い点だと思います。

他にも、リベリア共和国についても議論ができました。

リベリアは、このとき独立を保ったにもかかわらず、現在は内戦に苦しんだ最貧国の一つです。

このことは、たとえ植民地とならずとも、きちんとした統治をおこなわねば、国家の繁栄は望めないということを示しているのでしょう。

 

さて、アフリカや太平洋は列強によってほとんど隅々まで植民地化されました。

また中南米ではアメリカが帝国主義的に影響力を拡大していきます。

独立を保ったメキシコも、メキシコ革命後の内乱で政権は混乱に陥ります。

他方で、清はアロー戦争後の内政改革も保守派の抵抗で失敗に終わり、列強によってさまざまな利権が奪われていきました。

結果、清は事実上植民地化されていくのです。

さらなる清中央政府の改革は、もはや人民の信頼をえられず、辛亥革命によってついに打倒されることになりました。

今回は、日本による韓国の併合も見ていきました。

約100年前の出来事ですが、その影響が今日の日韓関係にも影を落としていることは認識しておくべきでしょう。

 

来週はお休みですが、次回はいよいよ世界を巻き込んだ第一次世界大戦の経緯について、議論していく予定です。