4/18 歴史入門(高校)

今年度も歴史入門が始まりました。

昨年に引き続き、このクラスを担当する岸本です。

生徒さんも継続して受講して下さったので、今年度は昨年からテーマを受け継いで、西洋近代史を一緒に議論していきたいと思います。

 

まずは、これまでの大きな流れを、ヨーロッパの体制を中心に簡単に復習していきました。

昨年までは、19世紀後半のヨーロッパのビスマルク体制の形成までを見ていきました。

さらに、第二次産業革命に促された欧米列強の帝国主義的進出を、特にアジアを中心に確認しました。

この時代から、政治的にも世界がずっと密接につながっていくので、西洋史という区切りもあまり意味のあるものとは言えないかもしれませんね。

その後、第一次世界大戦まで、20世紀初頭の主なヨーロッパ諸国の内政を中心に議論していきました。

注目すべきは、各国に労働者政党が形成されたこと、ドイツがビスマルク体制を放棄してイギリスに対抗した「世界政策」を推し進めたこと、ロシア内部で第一次ロシア革命が生じたものの、反動化および中途半端な改革で政情が不安定となったことなどでしょうか。

生徒さんは、ドイツのヴィルヘルム2世がロシアとの再保障条約を更新しなかった理由を考えてくれました。

生徒さんがロシアの政情不安などを理由にあげた一方、私からはドイツやオーストリアが掲げるパン=ゲルマン主義とロシアの標榜するパン=スラヴ主義が互いに相容れないものであったと指摘しました。

もちろん、理由は一つではありませんが、状況から様々に推測することは可能でしょう。

オリジナルな意見を史料で実証できれば、それで立派な歴史学研究になります。

このクラスでそこまで行くことは難しいですが、いろいろな意見を出すことで、歴史を考えることはできると思います。

 

来週はアフリカの分割を見ていくつもりですが、今年度からは歴史に関する本を生徒さんに読んできてもらい、その内容についても議論できればと考えています。

それでは、またよろしくお願いします。