福西です。
大津絵に糞おとしゆく燕かな 蕪村
前回、切れ字の「や」を教えました。今回は「かな」です。
一句の中に「や」と「かな」の両方を使うのは野暮(効果がぶつかってまずい)とされ、どちらか一方を選びます。
俳句の5・7・5は、上五、中七、下五と呼びます。
1)4文字の季語を使う場合は、上五に置いてみましょう。
そして、「たんぽぽ」なら、「たんぽぽは」とするよりは、「たんぽぽや」とすると本格的です。
2)3文字の季語を使う場合は、下五に置いてみましょう。
そして、「すみれ」なら、上五に「すみれはね」とするよりは、下五に置いて、「すみれかな」とすると、グッと俳句らしくなります。
「園庭」からバプテスト病院の下を通って、「沢」と呼んでいる場所まで移動し、その道中で俳句を作りました。
山吹が咲き始めていました。それが「やまぶ黄色」ではないことをさりげなく示唆しました。(昔、私も勘違いしていました)。
すごいなと思ったのは、Yusuke君とUta君が、「びわの花が枯れていること」を句の題材にしていたことです。
Uta君は「春」の連作に意欲的でした。「春がきたそろそろこがにでてくるよ」には、毎年のように沢蟹を捕まえている実体験が重ねられています。それがいいと思います。
またAyakaちゃんの「きのこさん木についててねかわいいね」という句も新鮮です。茸は実際には秋の季語ですが、Ayakaちゃんは春の芽吹きととらえていました。
そして、「川の水プリンみたいでせいけつだ」というYusuke君の語感に、グッときました。硬派かつ繊細です。
この日生徒たちが作った俳句です。
やまぶきや いいにおいです ほんとうに Yusuke
びわの花 かれてしまえば おいしいよ Yusuke
もみじはね みどりいろでも きれいだね Yusuke
春の風 もりにこだます いいきもち Yusuke
たにのうえ 下にながれる さわきれい Yusuke
たにのうえ 下りるときには 大じゅうたい Yusuke
川の水 プリンみたいに せいけつだ Yusuke
やまぶきや すごくきれいで たのしそう Ayaka
春の風 ピューピューピューと ふきますよ Ayaka
ぴょんぴょんと とぶのだれかな? かえるかな Ayaka
きのこさん 木についててね かわいいね Ayaka
くだものや いろいろあって おいしいよ Ayaka
びわの花 かれてしまえば おいしいよ Uta
やまぶきや やまぶきいろだ 生きものだ Uta
春の森 気もちがいいね おちつくよ Uta
さわの水 きれいなさわは 春すきだ Uta
春がきた きれいな花が さくころだ Uta
春の花 きれいなお花 なの花だ Uta
春がきた そろそろこがに でてくるよ Uta
コイさんは 春がきたのに 天国へ Uta
春がくる とても生きもの でてくるよ Uta
春だから いろんな花が まんかいだ Uta
鳥さんや いつも歌声 春だから Uta
すずめさん チッチときれい すばらしい Uta
春の鳥 バサバサバサと まい上がる Uta