しぜんA(2017/04/25)

担当の梁川です。

雲が少し多く、さわやかな風の吹く日でした。
体験参加の1年生、nori君をお迎えした、春学期の2回目のクラス。

今日のしぜん日記発表は、主に2つ。
Madoちゃんが家の草イチゴの花についての記録を元気な声で読み上げてくれました。いつもながら、色や形、触った感じについて詳しくまとめられています。花の色を「あざやかな白いろ」と表現しているのが素敵だと感じたので、「あざやかな白ってあるかな?『白』は『白』じゃないのかな?」と問いかけてみると、何人か首を振って、「そんなことないよ(あるよ)」と言ってくれました。その感性を嬉しく感じました。

Aoniちゃんは「すごくきれいに見えた西の山」について書いてきてくれました。(他には家の「ゲッケイジュ」について。)朝、西の山の一つが「すっごくきれいな黄緑」になっているのに気づき、一方ではかげのように見える「濃ゆい」ままの緑の山があるので、その理由について考えたものです。最後は「山も面白い。」の一言で締められています。
また、日記裏面には若葉を出していると思われる木の葉のイラストがズラリ。

他には「拾ってきたもの」の発表として、Hatsuちゃんの「開く前のタンポポのわたげ」がありました。
まだ「がく」の中でぎゅっと束になった綿毛を引っ張り出してみると、ちゃんと種がついています。発芽するかどうか疑問に思ったので、一部を前回クラスで作った「庭」に乗っけていました。また、空っぽになった「がく」の中に指を入れた感触が気持ちのよいことを発見しました。

このように、遠くに近くに、様々なしぜんの発見はあります。

去年の夏、みんなで食べたクサイチゴの場所はどうなってるだろう?
そう言って森へ言ってみると、一面に小さな白い花をつけています。
「家のとはちょっと種類が違うみたい」とMadoちゃん。

そのあとみんなはNori君を「秘密基地」に案内しました。
「ここの一番楽しいのはね・・・先生、やって見せて!」とKai君。
「私がやる!」とHatsuちゃんが先陣をきって、お尻滑りを披露してくれました。「僕もこれ得意だよ!」とNori君も滑り、みんなが基地に繋がる「枯れ葉のスライダー」を久しぶりに楽しみました。
「基地の修繕もしたいなぁ」とKai君。彼が今年したいことのひとつです。

続いてみんなで木登りや鬼ごっこ「ぽこぺん」などをして体を動かしました。
ちょうど何ゲームか終えた時です。近くの高い木の上で「ヒュー、ヒュー」という笛を吹くような甲高い音が聞こえてきました。聞き慣れないその音に、みんなで立ち止まり、音の発信源を突き止めようと、忍び足で近づいていきました。

「あ、あそこの木のてっぺん!」とAoniちゃん。
「キツツキっぽい鳥。大きさからすると、アオゲラか、ヤマゲラかなぁ。」
さすがは鳥博士です。
確かに垂直な木の幹にしがみつくように止まっており、鳴くときは嘴を真上に向けていました。
暫しその鳥の動向を見守っていると、今度はAoniちゃんが近くにあった、葉のついた木枝を手折り、髪に挿して、そっと鳥のいる木のすぐ根元まで近づいて行きました。すると、Kai君やHatsuちゃんも頭に葉っぱや花を挿して、近づいていきました。
ちょうど「ムネアカオオアリ」を見つけて夢中になっていたNori君にも声をかけ、そっと一緒に近づいていって観察しました。
その鳥を見るのも、鳴き声を聞くのも初めてだったそうです。

Aoniちゃんも含め、みんなこの声を聞くのは初めてのことでした。
私はいつかの夏、沢ですごく大きな「何か」の鳴き声がして、その瞬間みんなが「よし、突き止めよう」という無言の同意を成して、しぜんと近づいていった時のことを、懐かしく思い出していました。

虫や鳥、草花。或いは森の中で体を動かすこと。
みんなにとっての一番の興味の対象や、大事なことはそれぞれですが、誰かにとっての大事なことを、自分にとっての大事なことと同じように尊重し、関心を持つことができるよう、今日のようなチャンスを活かしつつ、時に私から誘いつつ、みんなを導けたらと思います。