かず3~4年(2017/4/12)

福西です。今学期もよろしくお願いいたします。

この日は以下のことをしました。

1)0のかけ算

2)桁としての0の多いかけ算

3)パズル

4)九九に隠された秘密(計算と形との関係)

1)

42×0、0×200など、×0はどんな場合でも0になります。

たとえば、「来週どこ行きたい?あっちも?いいよ。こっちも?いいよ。そっちも?いいよ!」という約束をしたとします。それが「ごめん、行けなくなった」となった時を思い浮かべて下さい。

どんなに気前のいい約束をしても、最後に「がーん」となるのが、×0です。

 

2)

34は、3×4をして、お尻に0を1つつける。

9×100は、9×1をして、お尻に0を2つつける。

これはやり方を覚える方が現実的でしょう。一人でやると詰まりそうな生徒には、そばでフォローをすることで、「なーんだ」と感じてもらうことができました。

 

3)

間違い探し、ビルディングパズル、迷路、足し算パズルの中から数問選んでしました。

 

4)

今日のハイライトです。これが大いに盛り上がりました。私はtwitterの投稿記事(>こちら)で知ったのですが、「これは目から鱗だ!」と思い、さっそくやってみた次第です。

(以下の写真は手書きが汚いので、ぜひリンク先の方の画像をご覧ください!)

盛り上げるコツは、

i)1の段と2の段を例にして興味を引くこと(同時に、2×6→2に線を引くことを周知する)

ii)あとは、「□の段」の用紙を配り、何の段の秘密を説き明かしたいか、生徒たちに好きに選ばせること

だと思います。

注意点としては、

2×0=0→0からスタートする

2×10=20→0に帰って来る

この2点をおさえておくことです。この計算は、最初に配った1)と2)のプリントでもしましたね。

これで図形がきれいに閉じます。

 

さて、たとえば3と7の段では、

という逆回転(鏡写し)の関係であることが発見できます。

2年生の頃にがんばって九九を覚えた3年生の人は、ぜひお試しあれ!

 

生徒たちは、「もう一枚ちょうだい!」と「□の段」の紙を取り合っていました(笑)。

またさらに、

・11の段が1の段と同じになること

・10の段が0から動かないこと

を自分たちで発見していました。すごい!

 

【補足】

合同式を知っている方は、以下を参照ください。

7の倍数は次の2通りに表せる。

7n=10x+y

となる。

そして今、1の位(=y)が問題となっているので、この式を変形し、

y=7n-10x

と表す。

この式を10を法とした合同式で表すと、

y≡7n mod.10

≡-3n mod.10

となる。

これは10を法とした合同式では、7の倍数(の列)が3の倍数(の列)と「符号の違いを除いて同値」であることを意味する。

具体的に7の倍数を書き出すと、

n=0 0≡0 mod.10

n=1 7≡-3  mod.10

n=2 14≡4≡-6 mod.10

n=3 21≡1≡-9 mod.10

n=4 28≡8≡-12 mod.10

であるが、-3,-6,-9,-12…はすなわち10等分した円周上を3の倍数と逆方向に回ることを意味する。

同様に、10等分した円周上である倍数の1の位を線分でたどる幾何には、1と9の倍数、2と8の倍数、3と7の倍数、4と6の倍数、5と5自身の倍数にそれぞれ鏡映性が見られるが、これは10等分した円周上で考えることが10を法とする合同式で考えることと同じだからということが分かる。

 

【発展問題】

たとえば、6等分した円周上である倍数の1の位を線分でたどる幾何には、6を法をする合同式で考えることになる(3n≡-3n、4n≡-2n、5n≡-1n、6n≡0、7n≡1n、8n≡2n、9n≡3n mod.6)。よって今度は、3と7の倍数は鏡映にはならない。

1(7)と5の倍数、2(8)と4の倍数、3(9)と3(9)自身の倍数が、それぞれ鏡映になる。