福西です。今学期もよろしくお願いいたします。
この日は以下のことをしました。
1)0のかけ算
2)桁としての0の多いかけ算
3)パズル
4)九九に隠された秘密(計算と形との関係)
1)
42×0、0×200など、×0はどんな場合でも0になります。
たとえば、「来週どこ行きたい?あっちも?いいよ。こっちも?いいよ。そっちも?いいよ!」という約束をしたとします。それが「ごめん、行けなくなった」となった時を思い浮かべて下さい。
どんなに気前のいい約束をしても、最後に「がーん」となるのが、×0です。
2)
30×4は、3×4をして、お尻に0を1つつける。
9×100は、9×1をして、お尻に0を2つつける。
これはやり方を覚える方が現実的でしょう。一人でやると詰まりそうな生徒には、そばでフォローをすることで、「なーんだ」と感じてもらうことができました。
3)
間違い探し、ビルディングパズル、迷路、足し算パズルの中から数問選んでしました。
4)
今日のハイライトです。これが大いに盛り上がりました。私はtwitterの投稿記事(>こちら)で知ったのですが、「これは目から鱗だ!」と思い、さっそくやってみた次第です。
(以下の写真は手書きが汚いので、ぜひリンク先の方の画像をご覧ください!)
盛り上げるコツは、
i)1の段と2の段を例にして興味を引くこと(同時に、2×6→2に線を引くことを周知する)
ii)あとは、「□の段」の用紙を配り、何の段の秘密を説き明かしたいか、生徒たちに好きに選ばせること
だと思います。
注意点としては、
・2×0=0→0からスタートする
・2×10=20→0に帰って来る
この2点をおさえておくことです。この計算は、最初に配った1)と2)のプリントでもしましたね。
これで図形がきれいに閉じます。
さて、たとえば3と7の段では、
という逆回転(鏡写し)の関係であることが発見できます。
2年生の頃にがんばって九九を覚えた3年生の人は、ぜひお試しあれ!
生徒たちは、「もう一枚ちょうだい!」と「□の段」の紙を取り合っていました(笑)。
またさらに、
・11の段が1の段と同じになること
・10の段が0から動かないこと
を自分たちで発見していました。すごい!
【補足】
合同式を知っている方は、以下を参照ください。
7の倍数は次の2通りに表せる。
7n=10x+y
となる。
そして今、1の位(=y)が問題となっているので、この式を変形し、
y=7n-10x
と表す。
この式を10を法とした合同式で表すと、
y≡7n mod.10
≡-3n mod.10
となる。
これは10を法とした合同式では、7の倍数(の列)が3の倍数(の列)と「符号の違いを除いて同値」であることを意味する。
具体的に7の倍数を書き出すと、
n=0 0≡0 mod.10
n=1 7≡-3 mod.10
n=2 14≡4≡-6 mod.10
n=3 21≡1≡-9 mod.10
n=4 28≡8≡-12 mod.10
…
であるが、-3,-6,-9,-12…はすなわち10等分した円周上を3の倍数と逆方向に回ることを意味する。
同様に、10等分した円周上である倍数の1の位を線分でたどる幾何には、1と9の倍数、2と8の倍数、3と7の倍数、4と6の倍数、5と5自身の倍数にそれぞれ鏡映性が見られるが、これは10等分した円周上で考えることが10を法とする合同式で考えることと同じだからということが分かる。
【発展問題】
たとえば、6等分した円周上である倍数の1の位を線分でたどる幾何には、6を法をする合同式で考えることになる(3n≡-3n、4n≡-2n、5n≡-1n、6n≡0、7n≡1n、8n≡2n、9n≡3n mod.6)。よって今度は、3と7の倍数は鏡映にはならない。
1(7)と5の倍数、2(8)と4の倍数、3(9)と3(9)自身の倍数が、それぞれ鏡映になる。
“かず3~4年(2017/4/12)” への2件のフィードバック