『しぜん』(B3)クラス便り(2017年2月)

「山びこ通信」2017年度冬学期号より下記の記事を転載致します。

『しぜん』(B3)

担当 森山 純

 気温が下がり、生き物が出なくなったことで、秋学期の終わり頃から基地づくりを始めました。「秘密基地をつくりたい」という希望は時々聞いていたので、それを実現することにしたのです。そこで、メンバー曰く「幼稚園時代からあった」、木でできた家の骨組みのようなものを再利用することにしました。おそらくこれは以前いらっしゃったしぜん担当の先生が作り、そのままにしてあったものです。しかし、これを利用するとなると、①目立ちすぎて“秘密基地”ではなくなる、②一から作る楽しみはない、という問題が発生します。①に関しては、満場一致で「秘密である必要はない。とにかく基地が作りたい」という意見でまとまりました。そして②に関しても、「すでに大まかな形はできているのだから、これを元に装飾していった方が良い基地が作れる」という、小学1年生とは思えない非常に効率的な意見ですぐにまとまりました。
現在は、本人たちの希望もあり、女子陣が材料を集めて男子陣が組み立てるという役割分担になっています。Yくんは独創的な発想で次々とアイデアを提案してくれます。彼には自分の考えで自由にやってもらいながら、できる限り彼の頭の中にあるアイデアを具現化できるように私がサポートするようにしています。Yくんがアイデアを出し、必要な材料を私が考え、HちゃんとKちゃんに指示します。そうすると、HちゃんとKちゃんは協力して男子陣が求める材料を的確に持ってきてくれます。できればHちゃんとKちゃんにも“持ってきた材料で何が作れそうか”を考えて欲しいので、毎回その質問を投げかけるようにしています。基本的には「わからない」という返答なのですが、「楽器に使えるかも」という話し声も聞こえてくるので、少しずつ浸透しているのだと思います。今後も、本人たちが楽しめることを基本線としつつ“自ら考えて行動する”ことを根付かせていけたらと思っています。