「山びこ通信」2017年度冬学期号より下記の記事を転載致します。
山の学校ゼミ『漢文入門』
担当 野口 優
2016年11月上旬に、知り合いの先生より、山の学校で漢文入門のクラスを担当することを依頼され、11月末より、この漢文入門のクラスを担当することになりました。参加者は、社会人の方一名のみですが、その分マンツーマンで集中して漢文を読むことができております。
この講義では、初学者を対象に漢文講読の手ほどきをしております。テキストは、小川環樹・西田太一郎『漢文入門』(岩波書店、1957年)を使用しております。辞書は『全訳漢辞海』(第二版)を使用しております。授業の進め方は以下の通りです。『漢文入門』内の短文篇を一篇ずつ丁寧に訓読・翻訳し、構文中の文法を確認しながら、受講者の漢文に対する理解を深めていきたいと思います。毎回、一・二篇を読み終わるぐらいのペースでじっくり読み進めております。2017年2月上旬現在において、八回の講義を消化し、第十篇まで読みました。講読に際しては、受講者の理解を助けられるよう、構文の背後にある歴史的なできごとに注意し、必要に応じて、図や系譜を配布しております。受講者の方も、疑問があれば、その都度、質問できますので、講師と受講者双方がどちらも納得できるような解釈を探求することができていると思います。