ことば3~4年(2017/2/28)

福西です。

「まとめる」は、『イソップ寓話集』(中務哲郎訳、岩波文庫)より、『木こりとヘルメス』をしました。題名からぱっと推察できないのが面白いところで、これは『金の斧』のお話です。

ヘルメスはゼウスの伝令役で、泥棒と商売、魂をあの世に連れて行くなどの役を司る男神です。(ヘルメスが子供の頃、アポロンから牛を盗んだという話を知る生徒もいました)。

今回も100字を目標にまとめました。代表的なものを以下に紹介します。

ある男が正直なことをいうと神は味方をする(した)。うそをつくと神は男をてきにまわした。神意は正しい者の味方につく。それと同じていどに悪人をてきにまわすことをつたえようとしている話がこれです。(91字)

ある男が、斧を川にとばしてしまった。神は金、銀の斧を出したが、男はどちらもちがうと言ったが、神が男の斧を出すと、男はそれだと言った。他の男が男のマネをすると、よくばり、金の斧を神が出すとそれだと言った。(神は斧を渡さなかった。)神は正しいものの味方をする。(115字)

男がおのを川へとばしてしまった。神がでてきて、そこで三つのおのをさし出した。一つは、金のおのを出したけれど、男は、ちがうと言う。二つは、銀のおの。男はちがうと言う。自分のおのをさし出すと、うなずいた。男は三つおのをもらった。(その)話をすると、よくぼけ男がいった。うそをついていると、神は川に帰ってしまった。(150字)

まだ書き写しに近い部分も見られますが、自分の頭のフィルターを一度通っていること、それによる語彙の選択に対する試行錯誤もまた見て取れました。

文中に「神意」という言葉が出てきたので、辞書で引いて確認しました。

 

あとの時間は、先週リクエストのあった、DIXITをしました。今回、話し手は「むかしむかしあるところに〇〇(と〇〇)がいました。〇〇は・・・しました」という形式で始める、というルールでしました。

例を一つ上げると、こんな感じです。

むかしむかしあるところに、掃除のきらいな男の子がいました。その男の子は、ご飯を食べにおもちゃをそのままにして出かけました。帰って来ると、おかたづけかいじゅうにおもちゃをみんな食べられていました!

これはT君作です。こんなふうに、話し手は、とある「本物の絵」を見て即興話を作り、それをみんなに発表します。一方、聞き手たちは話から連想される「にせ物」の絵を(持ち札から)そっと提供します。話し手はそれを混ぜ合わせて、一堂に提示します。

(本物が1枚、にせ物が5枚)

聞き手たちは本物と思われる絵に投票します。それによって点数が計算される(にせ物の絵に入った票は、そのにせ物の絵を出したチームの点数になる)、というのが1回の進行です。

(ちなみに本物の絵は右下)

このゲームは、次の週にした『フィクショナリー』(和名:たほいや)という辞書を使うゲームとルールがほとんど一緒です。

お話作りが好きだったり、お話の反応をもっと期待している生徒は、おのずとストックが増えるようになります。この日も、「じゃあ今日はこれでおしまい」と言うと、「えー、まだもっとしたかったー」と残念そうに言っていました。