福西です。
Yta君は「等積変形」のおさらいをしました。四角形と五角形を面積の等しい三角形に直す問題です。Yta君は作図に必要な補助線が「即座」に引けており、先週にしたことが定着していることを確認できました。
その後、今回は翌日の試験勉強をしました。
Sちゃんは「確率」をしました。一見遠そうに思えても、いったん具体的な所に手を付け出したら、あとはひたすら「数え上げればいいのだ」という姿勢を深めました。よっぽど時間のかかるときは解答の「効率的な方法」を参考にするとして、まずは「手を動かす」ということの方がむしろ重要です。そのうちに問題の輪郭が見えてきます。その際、最善のやり方にこだわらなくてもいいです。
それと並行して、Sちゃんは余事象の使い方に慣れてきたようでした。余事象の考え方は面白いです。それは場数を踏めば踏むほど味わいが出てきます。そのセンスを大事に磨いてほしいと思います。
題意を「数え上げの問題」に翻訳する時、作業は地味なのですが、はまると楽しくなります。地味だからこそじわじわと、Sちゃんは一問一問をやりとげていく印象を持ってくれていると思います。また、出てきた答は分数になりますが、そのつど「7/72ということは、だいたい10%程度ということだね」といった「確率らしい響き」を耳に入れることも忘れないようにしています。
Ywa君は、統計の「平均値」と「分散」を使った問題でレベルを上げていました。
平均m=E(x)=1/n・Σx_i
分散V(x)=E((x-m)^2)=1/n・Σ(x_i-m)^2
が定義式です。
分散の式は、次のような別形に直せることを確認しました。
V(x)
=「データと平均との差」の二乗平均
=E((x-m)^2)
=E(x^2-2m・x+m^2)
=E(x^2)-2m・E(x)+E(m^2)
=E(x^2)-2・m・m+m^2
=E(x^2)-m^2
=「二乗平均」-「平均の二乗」
mは定数なので、途中、E(x)=m、E(m^2)=m^2となるのがミソです。
分散にはもともと「平均値を引いてから」という作業が含まれていることに要注意です。よく平均は0であることがあって、その場合は、分散とは二乗平均のことだと言っても間違いではないのですが、実際は、データと平均との「差」の二乗平均です。平均の存在を無視しないように、そのつど思い出す必要があります。
この式変形で、今はそれほど恩恵を受けることがないかもしれませんが、将来的には確率における三平方の定理(最小二乗法)とも関係してきます。
そのあと、「15個のデータのうち、10個をAグループ、5個をBグループとし、A、Bそれぞれの平均と分散とが分かっている時、全体の平均と分散を求めよ」という問題にあたりました。ここで、上の知識を利用しました。
最後に解いた問題は、手順が4段階ほどあって複雑でした。私が他の生徒の方を見ている間、Ywa君はその手順をすべて自力で編み出しました。「7人の身長のうち欠けた3人のデータを復元する」という問題だったのですが、つめの所の単純な計算間違いがクリアされると、答が出てきて、「やっぱりこの解き方であってたんだ!」と強く思うことができました。それが今回一番の自信になったようでした。