ことば3~4年(2017/2/14)

福西です。

『ピーター・パン』(バリー、本多顕彰訳、新潮文庫)を読みました。

ピーター・パンは、ウェンディやティンカー・ベルの出てくる話が有名ですが、それは『ピーター・パンとウェンディ』にあたります。今回はその前作で、ピーター・パンの生い立ちが語られる箇所です。パンは「パーン」という森の神がモデルです。姿は人間とヤギのあいのこで……と説明し出すと、「ぼく、そのパーンという神様知ってる! 角の形はこうでな……」という声があがりました。

ピーター・パンは、生まれて7日目に家の窓から鳥のように飛んで抜け出し、妖精(人間でもなく鳥でもない「中途半端のもの」という存在)として、とある公園で暮らします。年齢は永遠に7日(7歳ではなく)で、人間には姿が見えません。その彼が、2度、家にいるお母さんの様子をこっそり覗きにいくシーンがあります。

そこを例文に、好きな個所に「線を引く」という取り組みをしました(私自身の線だらけの本を参考にしてもらいながら)。まだ慣れない様子だったので、これからだと思います。

線が長くなる場合は、欄外に「横線」を引くと、短くかつ目立たせられるといったコツを伝えました。そこで、生徒からも「『 』も使えるよ」とアイデアが飛び出しました。

用意した文章では、(ピーター・パンは)「生まれて七日たつと、人間になることをのがれた」というところに線を引く人が多かったです。T君は「なぜなら、それがないとお話が成り立たないから」と手短に理由を説明してくれました。

 

「まとめる」の取り組みは、『イソップ寓話集』(中務哲郎訳、岩波文庫)にある『北風と太陽』を要約しました。今回は本文281字→要約100字を目標としたところ、だいぶ縮めて書いてくれました。

生徒たちの要約

北風と太陽言い争い、道行く人の服をぬがせたら勝ちとした。北風は男の服を重ね(させ)て力つき、太陽は男の服をぬがせた。(58字)

北風と太陽が道行く人の服をぬがせた方がかちということにした。北風は強くふきつけ、男はさむさで服をきた。太陽はおだやかにてりつけ、(服を)ぬがせた。(73字)

ある日北風が通行人の服をぬがせようと風をあてた。けど人はきこむばかり。太ようはその反対をするとみごと服をぬがせた。(57字)

道行く人の服をぬがせたらかちということで。北風が強く吹きつけたら、人は着こんでしまった。太陽は人をすっぱだかにした。(人は)水あびをしにとんでいった。そうゆうことで、太陽がかった。(90字)

(Mちゃんがこの日、お休みでした)

また、私自身もいつものように挑戦してみました。

北風と太陽が、通行人の服をぬがせた方が勝ちというルールで、強さくらべをした。通行人は北風が強く吹くほど服を着こんだ。太陽の場合はその反対だった。強制よりも説得がまさるたとえ。(87字)

「反対」という表現が便利であることを伝えました。

 

さて、来週は百人一首のかるた会をします。それで、どの歌を取りたいか、リクエストを書いてもらいました。25首ほど集まりました。以下のリクエストについては、当日必ず詠むことにします。ぜひ腕を磨いておいてください。

「君がため(春の)」「あらしふく」「うかりける」「ふくからに」「大江山」「村雨の」「ほととぎす」「よをこめて」「これやこの」「きりぎりす」「ありまやま」「このたびは」「奥山に」「和田の原(こ)」「和田の原(や)」「みちのくの」「春すぎて」「ちはやふる」「あまつかぜ」「ももしきや」「天の原」「みよしのの」「めぐりあひて」「あしびきの」