「山びこ通信」2012/2月号より、ラテン語クラスの様子をお伝えします。(以下転載)
『ラテン語入門』『ラテン語講読(中級) 』(担当:広川直幸)
入門の授業では,Hans H. Ørberg, Lingua Latina II: Roma aeterna を学んでいる.もうすぐ40課が終わる.一回の授業でおよそ100行本文を読み,本文を読み終えたら,各課の最後にある大量の練習問題を解くのに一回の授業を充てることにしている.
Lingua Latina は,第1巻の Familia Romana が基礎,第2巻の Roma aeterna が応用という構成なので,第2巻に入った今,実際に行っていることは入門の段階を超えているのだけれども,他によい名が思いつかないので,授業名は敢えてラテン語入門のままにしてある.既にやさしい原典なら読める段階に至っているので,教科書の学習と平行して各自で好みのものを読んでいただくのがよいであろう.
中級講読では,ウェルギリウスの『アイネーイス』を読んでいる.今のところ一回に30行程度のゆっくりとしたペースで進めている.教科書には,Clyde Pharr, Vergil’s Aeneid: Books I-VI を使っている.この本は,どのページを開いても,そこに印刷されている原文を読むために必要な語彙すべてが目の前に見えるように工夫されている.要するに,語彙を調べるためにページを繰る必要が全くないという画期的な註釈書である.原典を読んでみたいけれども,辞書ばかり引いていて,原典を読んでいるのか辞書を読んでいるのか分からなくなってうんざりだという方は多いかもしれない.そういう方は一度この註釈書を使ってみて欲しい.(文責 広川直幸)