福西です。
プリントをそれぞれしました。全体にかけ算と割り算とを中心に取り組みました。
共通の課題として、(割り算の筆算をまだ習っていない3年生も含め)、数の「半分」、「4等分」を考えました。
「100の4等分」をいきなり「25」と答えるのはハードルが高いと思います。
そこで、4等分は「半分の半分」という事実を使います。折り紙でもすると思います。
「はんぶんこ」ならば、足し算的に(2つ合わせて元通りと)3年生でも考えることができます。
100の半分?
↓
50
↓
50の半分?
↓
25(ゴール)
これは円いケーキを描くと分かりやすく、ちょっと工夫するだけで、一足飛びに思えたものが身近になります。
算数では、「え?」と思える結果との間に、階段を刻めば、必ず手が届きます。
(円いケーキの絵は、あとで75/100=3/4という分数の計算に役立ちます)
M君がこの計算を「25mプール」にもたとえていました。そのようにたとえを多く持っている人はハッピーです。
100以外の60でも1000でも、4等分は同じように「半分→半分」で考えることができます。
もう一つの共通課題は、「60の約数」を見つけることをしました。
犯人逮捕のたとえで、「12人いる!」と発破をかけました。そして割る数を10まで実行し、それぞれに共犯がいることを経験的に確かめました。
60÷1=60
60÷2=30
60÷3=20
60÷4=15(この計算は上で書いたことの応用になります)
60÷5=12(これは3年生には難しかったので、4年生に手伝ってもらいました)
60÷6=10
赤い数字はみんな犯人(60の約数)です。
しかし、7、8、9は違います。(誤認逮捕!)
さて、ここから、÷10以降、2桁の筆算を使わないといけないように思います。3年生にとっては捜査の行き詰まりでしょうか?
はたと困りました。
ところが、先に捕まえた犯人からなにやら自供が取れたようです。
60÷1=60
60÷2=30
60÷3=20
60÷4=15
60÷5=12
60÷6=10
実は、答にあたる数(青い数字)もまた、60を割り切ることができます。これには、60÷60=1、60÷10=6などを証拠にしながら考えました。(*)
この新しい結果を手に入れることが今回の目的でした。
1、2、3、4、5、6、10、12、15、20、30、60。
12個すべてを見つけられました。
このような考え方をするのは初めてで、正直難しいなと思った人も、また繰り返ししていくので、安心してください。
*詳しい説明はしませんでしたが、踏み込むと、以下のように言えると思います。
60÷4=15 :見直し算 4×15=60
60÷15=4 :見直し算 15×4=60
上の二つの計算は、見直し算が同じです。そこに注目します。
60÷〇=△ :見直し算 〇×△
↓ かけ算の「交換可能」という規則を使って、見直し算をひっくり返します。
そして、その見直し算になるような式を、別に考えます。
見直し算が「△×〇」になるような式?
↓
60÷△=〇 :見直し算 △×〇
という式が作れました。よって、60が〇で割り切れるならば、△でも割り切れます。
残りの10分ほどは、先週の「進撃の巨人ごっこ」を少しルールを変えてしました。
【追伸】
「25は、100の4等分」と聞くと、最初は一足飛びに思えます。得体のしれない「敵」のように感じるかもしれません。
けれどもこれがひとたび「味方」についてくれると、実に頼もしいものです。
算数は、往々にして「仲間集めのRPG」だと思うと、気が楽です。ポケモンのトレーナーになった気分でもいいです。「100÷4=25」はそうした「仲間」の一例です。
また、100÷4=25(あるいは100÷25=4)は、分数、連立方程式、確率などでも、たびたび顔を出します。その都度、「えーっと…」と筆算で時間を取られずにすむことは、新出の内容に集中できるので、学ぶ吸収力を上げてくれます。(本もある程度の速さで読めると、話の筋が頭に入りやすくなりますが、それと同じです)。
「60の4等分? 15!」
このように、尋ねられて、「よっしゃ、待ってました!」という気持ちに密かになれる部分を、どんなことでもいいので見つけていくと、算数はそれだけ「楽」になっていくと思います。百人一首でも、最初は好きな札を1つ見つけることから始まります。ぜひ算数も仲間を集めることを楽しんでほしいと思います。