「山びこ通信」2016年度秋学期号より下記の記事を転載致します。
『かず』(5〜6年) 『高校数学』 (1〜2年) 『高校数学』 (3年)
担当 浅野 直樹
問題を解くためのアプローチとして、アルゴリズムとヒューリスティックという二側面を意識しました。アルゴリズムとはコンピュータがしているように一定の手順に従って答えに至る方法で、ヒューリスティックとは人間がよくしているように直感的に答えを見つける方法です。
かず5〜6年クラスで取り組んだ2種類のパズルがちょうどよい例を提供してくれます。アルゴリズムが適した「道をつくる」というパズルと、ヒューリスティックが適した「ナンバーリンク」というパズルです。
道をつくる - すぐる学習会( http://www.suguru.jp/michi/michimain.html)より
パズル > ナンバーリンクのルール [nikoli.com] (http://www.nikoli.com/ja/puzzles/numberlink/rule.html)より
「道をつくる」では、左下の角のマスは上と右にしか進めないのでL字型の道を通すしかないといったように、個別のマスに入る道の形を確定させていくことでアルゴリズムにより解くことができます。「ナンバーリンク」はそのように考えるよりもヒューリスティックで直感的に線をむすぶほうが解きやすいです。「道をつくる」をヒューリスティックで解くこともできますし、「ナンバーリンク」をアルゴリズムで解くこともおそらく可能ですが、明らかにパズルによって適した方法があります。
このアルゴリズムとヒューリスティックという発想は、SPIなどの就職試験にも活かせます。例えば次のような問題です。
1日目に全体の1/3を読み、2日目に残りの3/5を読むと、32ページ残っていた。この本は全部で何ページか。
アルゴリズムで解くなら、求めるページ数をxページとして、x×2/3×2/5=32と式を立て、これを機械的に解いてx=120を得ます。ヒューリスティックに解くなら以下のような図をかいて考えます。柱をかいて読んだページを灰色で消していきます。残ったページが32ページということは柱1本分が32÷4=8ページであり、全体で柱が15本あるので、求めるページ数は8×15=120ページとなります。
問題が解ければどの方法でもよいのですが、いろいろな考え方ができるとより深く理解できます。