「山びこ通信」2016年度秋学期号より下記の記事を転載致します。
『しぜん』B3
担当 森山 純
春学期と人数は変わりませんが、秋学期からひとりメンバーが入れ替わりました。秋学期初回こそ戸惑いもあったようですが、すぐに馴染んで良いコンビネーションを見せています(写真1)。また、たった半年で人間的な成長も感じます。春学期には4人の意見が分かれると私が多数決をとったり、行動を注意したりしていましたが、今はその役目を自然と4人のうち誰かが担ってくれるようになりました。互いに注意し合い、絆を深めているのです。このおかげで、新しく入ったYくんも私の思った以上に早く山の学校に馴染みました。そして博識なYくんはチームに良い風をもたらしてくれています。
春学期は「○○先生は秘密基地をつくってた!だからつくりたい!」「△△先生はこんなものつくってくれてたよ!」と過去に見聞きした情報を元に同じことを私に求めて来ましたが、今では山を歩いて生き物を探し、じっくり観察するという“森山イズム”が浸透してきたように思います。私は生物学が専門ですので、私ならではの興味深い情報を彼らに伝えられるように意識しています。出会う生物はいつも決まっていてサワガニとカエル類、昆虫類なのですが、みんな毎回山に行くのを楽しみにしてくれているようです。カエル類の種判別もできるようになってきました。また、虫かごの中で大きいサワガニが小さいカエルを捕食してしまう事件が起こった後、そのことを考慮して虫かご内をレイアウトするようになりました(写真2、3)。時にはせっかくカエルを捕まえてもサワガニとの大きさの相性を考えてその場で逃がすこともあります。私が企画しなくても、自然と命の大切さを学んでくれているようです。今後の季節は生き物が出づらくなりますが、何か企画してさらに“森山イズム”を吹き込んでいこうと思っています。