岸本です。
今日は特に南アジアと東南アジア、そして清に対する、ヨーロッパ諸国の帝国主義的進出を見ていきました。
前回見てきたエジプトやイラン、アフガニスタンに次いで、今回はインド、ジャワ、マレー半島、ミャンマー、フィリピン、清について学んだわけですが、それぞれの進出の例を見ていくと、一つの流れが明らかになってきます。
例えば、現地で生じた争いに列強が介入し、それを利用してその国の中での影響力を強めていき、影響力が現地に負担をかけるようになり、列強に対して生じた反乱を鎮圧することで、植民地化・保護国化されていくという流れです。
細かな知識を学びながらも、帰納的に背後に存在する流れや構造を把握できたのは良かったと思います。
とはいいつつ、歴史に例外はつきものです。そうした例外を学ぶことも重要です。
今回のテーマでいうならば、植民地化を逃れたタイがそれに当たります。
その理由は、フランスとイギリスの東西からの列強の進出に対する緩衝地帯となっていたという外的要因、そして、鎖国を解いて近代化を進めた内的要因がありました。
こうしたタイの例外的事情については、生徒さんも「タイが独立を保ったということは知っていたが、その理由までは知らなかった」と言って、興味津々でした。
単なる知識を覚えるのが歴史と思っている人も多いでしょうが、その知識を利用して考えることに歴史の面白さがあるということを、この例は示していると思います。
さらにこの問題を発展させて、同じく植民地化を逃れ、むしろ列強の一員となった日本との比較をしてみるのも面白いかもしれません。
帝国主義による植民地化といえば、アフリカがもう一つの舞台となりますが、時間の関係上、今回は省略しました。
最後には、先にみてきた帝国主義がどういうものか、その背景に何があったのかを確認し、19世紀末から20世紀初め、第一次世界大戦が勃発するまでの大きな流れを整理しました。
西洋の歴史を中心に見てきたこのクラスですが、様々な時代の要素が現代のヨーロッパ、そして世界に(良い意味でも悪い意味でも)影響を与えていることは理解できたと思います。
そして、歴史に学んで、自ら考えることが出来るようになってくれれば、私としては満足です。
このクラスの四月からの予定を岸本先生にうかがいました。
http://www.kitashirakawa.jp/yama-no-gakko/?p=1925
これからの展開がおおいに楽しみです。