福西です。
先週の俳句を返しました。全部の句を詠み、一つの風景がみんなの目にどのように映っていたのかを、共有しました。次の創作にまたつなげてください。
今学期から、要約の練習を始めています。テキストには、物語系では一概に削りにくいので、できるだけ事実に即したもの、読んでなるほどと思うものを探すようにします。
今回のテキストは、『ネコはどうしてわがままか』(日高敏隆、新潮文庫)から、『スズメのお宿の謎』の一文をお借りしました。
全文を読んでもらうのが理想ですが、今はそれを目指して、抜粋したところから始めています。
まず「こんなふうにするんだよ」という例を示しました。それから、本文の400字を200字以下にまとめることに挑戦してもらいました。
また、要約の手順を説明しました。
これはいきなり頭で分かるというよりは、だんだん手になじんでくるものなので、着かず離れずで、気楽にいきましょう。できるようになると、文章を読む(情報を得る)解像度がうんと上がります。
まだ最初のうちなので、下の手順でいう1)~5)と、注)の部分をメインにして書いてもらいました。
1)まず、本文を2回読む。(1回で頭に入ったと思い込まない)
2)本文を段落やブロックに切り分ける(丸で囲ったりする)。
3)その中で一番大事な段落を選ぶ。
4)筋となる文章を、一番大事な段落からはたくさん引用し、それ以外の段落からは少しずつ引用する。
5)4)の作業は、線を引きながらするとしやすい。(3回目の読み)
注)「と思いました」という言葉や、自分の意見は(後で言うチャンスがあると思って要約には)混ぜない。
6)引用して作った文章と筋が同じになるように、自分の言葉や、自分の構成で、より短く書き直す。
7)できた文章に抜けはないか、本文を読み返す。(4回目の読み)
8)よりよい言葉、構成を見つけて、可能な限り削る。
生徒たちは、全体的に以前書いてもらった時よりも、よく書けていました。
キャッチボールにたとえると、本文は筆者の投げてきたボールです。要約は、そのボールを「まずはしっかり受け止める」ということに当たります。
それができてはじめて、次に「筆者はこう述べている。けれども私はこう考える。さらに私はこうではないかと思った」などと、話を展開する(ボールを投げ返す)ことができます。これで言葉のキャッチボールは成立します。
グッとくる文章を中に蓄えていくと、それらはおのずと外にはちきれんとします。それがよい表現となります。そのプロセスを新しい楽しみに加えたいと思います。
残りの時間は、百人一首をしました。