岸本です。
今日は、これまでと趣向を変えて、「ルールを作る」ことに挑戦してもらいました。
ルールは、ゲームやスポーツの試合が成立するために欠かせないものです。
そして私たちが生きるこの社会にも、「法律」という名のルールがあります。
それだけ重視されるがゆえに、「ルールを作る」ことには慎重でなければなりません。
「ルール」という文章を書きながら、この難しさを理解してもらおうというのが今回の趣旨です。
今回は、二人で対戦する「スピード」というトランプ・ゲームのルール作りに挑みました。
このゲームの基本ルールは、以下の通りです。
まず、赤色の札と黒色の札に分け、それぞれ互いの手札とします。
続いて、手札を4枚手前に出して準備完了です。
「せーの」の掛け声で、それぞれ手札から場にカードを一枚出します。
そのカードに数字が昇順あるいは降順となるように、手前に出していたカードを重ねていきます。
場に重ねて、空いた手前の部分には、手札から最大4枚まで補充することが出来ます。
互いに場のカードに重ねられなくなったときには、また互いの手札から「せーの」の掛け声で新しいカードを場に出していきます。
それを繰り返して、先に手札と手前の札を場に出し切った方の勝ちです。
以上のルールを確認した上で、生徒さんには新しいルールを考えてもらいました。
例えば、「同じ数字のカードは場でも手前でも重ねることが出来る」や、「Kの上にA、Aの上にKを重ねることが出来る」などのルールを加えると、決着が早くつくようになりました。
また、手前に出せるカードの制限を4枚から10枚に拡大したり、逆に1枚に制限したりしました。
手前に出せるカードが多いほど決着があっという間についてしまいました。
逆に1枚では、なかなか手前の札を場に重ねることが出来ません。
そこで、生徒さんは、「サイコロを振って出た目の数だけ手前にカードを出せる」という新しいルールを考えてくれました。
運に左右される要素を入れることで、単なる速さ勝負ではなくなったのです。
こうしたアイディアを考えては、実際に試して調整し、新しいルールをつくっていきました。
ルール作りは、誤読がないように丁寧で適切な表現をしなければならず、大変難しいものです。
生徒さんもその点に苦労していましたが、なんとか新しく加えることになったルールを4つ書き上げてくれました。
私からの訂正もありましたが、とりあえず完成できたことは褒めるべきでしょう。
今年度最後のクラスとなる次回は、一つのテーマで議論できればと思います。