ラテン語初級文法

福西です。10/27は前川先生の代講で、40-44課をしました。練習問題を主に見ましたが、みなさんほとんど間違われることがなく、頭の下がる思いがしました。主なポイントを2、3書き留めておきます。

1現在分詞・過去分詞
現在分詞 amans~している(~ing)→第3変化形容詞扱い
(形容詞なのでamantiが奪格である点に注意)
過去分詞 amatus~された(~ed)→第2変化形容詞扱い

・第3変化形容詞の活用は、第3変化名詞とセットで効率的な復習が期待できますので、ぜひまた活用をノートに書き取られるといいと思います。

・分詞は動詞から作られて形容詞の働きをします(そして係る名詞とセットで性数格が一致)。
・分詞は、最初のうちはどうしても形容詞と思って探してしまいますが、愚直に元の動詞amoを辞書で引くのがコツです(amatusからamoで引くのには慣れるまで時間がかかります)。そして、amans=「amoしている…」、amatus=「amoされた…」と直訳して単語の関係を正確に掴んでから訳し込むとよいです。その後で、もし形容詞でも単独に辞書にのっている場合は、単純に形容詞で訳す方がいい時もあり、訳のすわりのいい方を選んでください。
・一見形容詞に見える分詞が、動詞で引けるようになると、ぐっと訳が正確になり、今後講読に進んでいかれる際に非常に有効です。
・注:過去分詞でひたすら「~されて」という訳し方に慣れてくると、たまに「受身の完了」という不意打ちを食らうので、それだけが注意です(^^;)。

2形容詞の比較級
・iorの形を見たら形容詞!
・longiusのように見慣れたlongusにiが挟まっているときは、副詞かな?と疑ってください。「より~に」(→動詞を強調)。副詞は見慣れないので最初は気持ち悪い相手ですが、慣れてくると格変化しないのがありがたいです。
・副詞は形容詞のように相手となる名詞がいないので< >でくくってどけておくと最初は訳しやすいです。
・「AはBより」の表し方は、「A主格 quam B主格」か、quamを取ってBを奪格にする:「A主 B奪格」か、どちらでもいいです。(+比較級形容詞)quamは比較されるものの直前に置かれます。
・quamを関係代名詞と間違えないようにしましょう。(先行詞を探して見付からない時は?と思ってください)

3絶対的奪格
・絶対的奪格を知らずに、奪格本来の意味で(例えば「~を伴って」)訳してもたいていの訳は通じます。ただ絶対的奪格で「~が…されるや否や」(英語の分詞構文にあたる)と訳した方が当然正確になる場合があります(無理に絶対的奪格にして変になる場合もあります)。どちらの可能性で訳したらいいかは楽しみでもあります。
・名詞と過去分詞のそれぞれ奪格のセットがあったら、まずは「~は…されて」と受身で愚直に直訳してください。その後で「~は…されるや否や」などの絶対的奪格固有の意味を付与し、もし余裕があれば主文の主語Aを探して「Aは~を…するや否や」と能動に訳し込んでください。
・名詞と現在分詞の奪格セットは「~は…して」と能動に訳してください。
・他に名詞+形容詞の奪格セットもあります。
・注:デポーネントの過去分詞は、「~は…されて」ではなく「~して」と普通に能動で訳してください。

◆次回は45-49課です。いよいよゴールが近付いてきましたね!応援しています。