岸本です。
前回に続いて、中世から近世への移行期の「動き」、「ルネサンス」と「宗教改革」について、話し合いました。
特に、アフリカの南の位置づけや、アメリカの存在など、一目見てわかる違いに生徒さんも気づいてくれました。
それがどういう背景で描かれたのかを考えることで、前回のことを思い出しながら復習を進めました。
さて、今回の本題は「ルネサンス」の続きからです。
前回は、イタリアでの動きまで話が進んでいました。
そこで、今回はその後西欧全体に拡大したルネサンスについて、著名な作品の写真などを見ながら、解説していきました。
その際、文芸だけでなく科学技術にも触れました。
天文学を発達させたガリレオやケプラーなどは有名ですね。
技術としては、「三大発明」が大きな影響を与えました。
例えば、「羅針盤」は大航海時代に必須の道具でしたし、「火砲」は当時の戦術を大きく変えました。
しかし、一番大きな影響を与えたのは「活版印刷術」だったかもしれません。
グーテンベルクのこの発明によって、書物が容易に複製することができるようになりました。
これが、書物に記された知識や思想が普及することを助けることになるのです。
いわゆるこのメディアの革新は、現在のSNSなどによるメディアの革新と類似する点も見られます。
そうしたメディアを用いて「アラブの春」が起こり、アメリカではデモが続いていることを考えると、「活発印刷術」が当時与えた影響は計り知れません。
生徒さんとも、そのメディアとしての「活発印刷術」と議論しました。
その活版印刷が大きな影響を与えたのが宗教改革でした。
今回は、その経緯についてドイツのルター派とスイスのカルヴァン派について解説しました。
その際、単純に出来事を羅列するのではなく、それぞれの主張・思想の中身にも触れました。
その中で、共通点や差異を知ることで、宗教改革の経緯やその後の影響をより理解することができます。
ありがたいことに、生徒さんも思想の方にも強い興味をもって聞いてくれました。
質問もあり、盛り上がったように思います。
来週は、その宗教改革がその他の国でどういう影響を与えたのか、そしてカトリックがどのように反撃したのか、一緒に考えていく予定です。
こういうテーマの本は一人でいくらでも読むことはできても、先生にその都度質問し、話を聞くことは普通できません。歴史は考える科目であり、歴史について考えることは大きな知的喜びを与えてくれる、ということを先生のエントリーから再認識しています。