岸本です。
前回に引き続き、近代の前提となる中世について、話を進めていきました。
今回は、11世紀以降の中世盛期から、14世紀からの後期が中心です。
中世の盛期の背景には、農業技術の進歩や開拓などの進展によって、商業や交易が活発化し、貨幣経済が浸透したことがあります。
それを促進した十字軍は、教皇権の強大さを象徴していますね。
聖職叙任権を巡るカノッサの屈辱などの話も有名です。
それを促進した十字軍は、教皇権の強大さを象徴していますね。
聖職叙任権を巡るカノッサの屈辱などの話も有名です。
しかし、十字軍の失敗によって、その教皇権には陰りが見えてきます。
また、中小諸侯や騎士も疲弊していくのです。
逆に国王や商人が勢力を拡大する背景にもなりました。
商人の活発化は貨幣経済を促進し、都市の力を強大化していきました。
この時期であれば、北イタリアやドイツ北部の都市が有名でしょうか。
生徒さんも、この時期のイタリアの都市国家などに興味があるようでした。
14世紀になると、ペストの流行もあって、封建領主の支配が緩み、英や仏では自営農民が力を持ち始めます。
15世紀の封建反動を経ながらも、この地域では領主の勢力が弱まっていきます。
また、アナーニ事件や大シスマ、フス派の問題もあり、当時の教皇権もかつての栄光を失います。
その中で各国の王権が伸長していくのですが、それぞれの事情は異なります。
来週は、その内容を細かく追っていきます。
これによって、近代の国際情勢の基礎が形成されていくのです。
図や地図なども使いながら説明をしていきましたが、少し早口だったかもしれません。
大きな枠組みの説明も今回で終わりましたので、来週から具体的な話に入り、生徒さんとももう少し議論できればと思います。