9/21 歴史入門(高校)

岸本です。

今日は、西洋近代の前史として中世について、概説を行いました。

近代は、現代の連続として非常に重要な時代です。
一方、それ以前の中世はある種異質なものとして、ネガティブにとらえられることもありました。
しかし、近代ひいては現代の「原型」となる国家や制度、文化が、既に中世から存在していたことは確かです。
同時に、中世を知っておくことで、近代に何が変化したのか、その重要性も知ることができるでしょう。
そのような意図をもって、近代の前に中世の概説から入りました。

今回は、西欧中世世界の成立として、カール大帝の戴冠やフランク帝国の分裂、また教会権力との関係、封建社会の成立を解説しました。
封建制度などは、中国史や日本史でも使われる用語ですが、西欧中世の特徴としての双務的個人的契約関係という点などには、生徒さんも関心を持っていました。
また、現代の国家の原型となる国家がどのように成立し、当時はどのような特徴をもっていたのかの解説では、特にフランスのイメージが大きく異なっていたかもしれません。
近代に強大な国家となるフランスがどのように成長していくのか、その点を考えてもらうと、これからおもしろくなるでしょう。

できれば、今回で概説を終えたかったのですが、議論や脱線もあり、予定の半分ほどしか進めませんでした。
来週は、十字軍から封建社会の解体、教会権力の衰退までの解説を行い、近代への移行まで進めればと思います。