「歴史入門」は今年度から開講されたクラスです。
昨日は、その第一回でした。
初回は、歴史を学ぶことについて互いに考えてみた後、関心のある時代や地域について語り合いました。
歴史入門といって、何を学ぶのか、ピンと来ない方もいるでしょう。
一口に歴史と言っても、それは様々な側面をもつものですから、やろうと思えばいろいろなことが学べます。
けれども、逆に言えば生徒さんが学びたいことと、私が話すことに大きなギャップが生まれる可能性も高いのです。
そこで、生徒さんが何を期待しているのか、単刀直入に尋ねてみました。
その答えをまとめると、高校での世界史のクラスが彼にとって物足りないものだということでした。
それを受けて、私自身の経験を踏まえながら、このクラスでの方針を定めていきました。
ここでは、世界史をもう一度学び直すこと、それをより物語(ヒストリア)風に提示し直すことを目的としました。
具体的な話に入る前に、そもそも歴史を学ぶ意義について考えてみました。
「何故歴史を学ぶのか?」
歴史好きな生徒さんはあまり考える必要はないかもしれませんが、嫌いな人ならば何度も頭に浮かんできたことでしょう。
ありきたりかもしれませんが、一つには現代を理解する手がかりとなるからだと、私からは説明しました。
他にも答えはあるかもしれませんが、このクラスを通して、それを生徒さん自身が見つけてくれたらと思います。
さて、後半は好きな時代や地域について話しました。
生徒さんは「三国志」や日本の「戦国時代」、「アレクサンドロス・ローマ帝国」という用語を挙げてくれました。
ちょうど日東西のバランスがとれていますね。
そこで春学期の前半はこの三つのテーマを中心に、それぞれの世界の歴史を話していくことにしました。
まず、古い順に「アレクサンドロス」の話を行いました。
かのアレクサンドロスの東征の背景には何があったのか?
その後のヘレニズム、ローマへの変遷はどのようなつながりがあるのか?
できるだけ一つの物語となるように、話していきました。
ちょうどポエニ戦争とマケドニア戦争のあたりで、時間が来ましたので、
次回はその続きとして、ローマ帝国の終わりまで語る予定です。
決して語りが上手いわけではありませんが、私自身も成長できるように努めますので、これからよろしくお願いします。
月並みなコメントになりますが、歴史は知識を断片的に覚えるのではなく、流れを理解することが大事とよく言われます。
>物語(ヒストリア)風に提示し直すこと
じつにユニークな取り組みです。本当はこのアプローチが教育のスタンダードであってほしいと願っています。