「山びこ通信」2016年度春学期号より下記の記事を転載致します。
『中学数学』B
担当 福西亮馬
それぞれが自分の課題を見定めて、時間いっぱいに取り組んでいます。2年生のYta君は資料の整理と文字式の復習、2年生のSちゃんは連立方程式と連立不等式、3年生のYwa君は集合論と2次関数の範囲です。
資料の整理は、統計データの扱い方です。私が中学生の時には教科書になくて、単元に入ったのはここ最近の傾向のようです。おなじみの平均値はともかく、メディアン(中央値)、モード(最頻値)といった言葉に、私も大学時代に取った統計学のことを懐かしく思い出しました。そう言えば技術家庭でもプログラミングが必須になったそうですが、ビッグデータと言われたり、これからロボットの活躍する時代に合わせてのことなのだなと思い当たりました。
Yta君は、分からないところは、いつでも「これはどういうことですか」と素朴に質問してくれます。それがYta君のアドバンテージだと思います。また、Sちゃんの教科書(問題集)を見ると、黄色い蛍光ペンの丸がついています。学校で解説なしでは解けなかった問題にそうしておいて、あとで解き直したり、山の学校で質問するためです。「可視化」という良い習慣なので、ぜひそれを推し進めてほしいと思います。
3年生のYwa君は、学校では高校の教科書をすでに進んでいます。致し方ないことですが、それが心配でもあります。集合論もその一つで、∩(アンド)や∪(オア)、ベン図、包除原理など、中学生のうちに理解して進むのはきつい道のりです。ただ、Ywa君は包除原理にいち早く慣れたので、それを励みにして乗り越えてほしいと思います。
ところで、これは私見になりますが、中学数学で何を勉強したかと振り返った時に集約されるものがあるとすれば、それは「関数」(1次関数と2次関数)です。関数は中学数学の「顔」みたいなものです。他ももちろん大事なのですが、最低でもここを押さえていれば全体の輪郭がぼやけないので、あとあと何とかなります。SちゃんもYwa君も、学校がかなり先取りする方針なので、これから先もしも数学で落ち込んでしまうことがあったら、その時は、1次関数と2次関数を塗り直して自信を回復する道筋があることを、私からは伝えたいと思います。