福西です。
2年生は硬貨を使った位の計算、3年生は大きさ比べの問題を解きました。
硬貨を使った位の計算では、1、5、10、50、100、500を使います。貯金箱を割って指で数える時のイメージです。難しいのは、5、50、500の扱いです。そして、2個ずつくくり出して、10、100、1000と、きりをよくすると計算しやすいことを確認しました。
大きさ比べでは、
1)1×1×1×1と1+1+1+1
2)1×2×3×4と1+2+3+4
3)2×2×2×2と1×2×3×4
などを、極力「計算せず」に、かけ算か足し算か(計算法則)に注目して比べることをしました。
1)は、いつでもかけ算が足し算に勝つとは限らない例です。
また、3)の応用として、3年生のT君には、次の問題を出しました。
A:100×100×100×…×100と、100を10000回かけたもの(=100の10000乗)
B:1×2×…×10000と、10000まで階段状にかけたもの(=10000の階乗)
どちらが大きいか?
T君はBと答え、その理由に、「100を途中で追い越すから」と説明してくれました。それでいいです。
残りの時間は、石取りゲームの続きをしました。
今回は、2人ではなくて3人で順番を回します。そして最後の1個を取った人の「勝ち」としました。(前のルールでは「取った人の負け」でした)
石を取る数は1~3個で固定、初期状態の石の数は変化させるようにしました。
点数の決め方は、以下のルールによります。
最後の1個を取った人が2点(勝ち)
最後の1個を取った人の前の順番の人が-1点(負け)
それ以外の人は0点(引き分け)。
これで9回戦までして、トータルの多かった人を勝ちとしました。
石取りゲームは、2人の場合だと必勝パターンがあります。
しかし3人の場合では、自分以外の2人が2人とも最善の手を指すとは限らないという不確定要素があります。そのため、自分の手番がもう一回やってきた時に、石の数が予想よりも多かったり少なかったりすることがしばしば生じていました。
それでも、次のことが経験的に確かめられました。そして、それにいち早く気付いた人から、有利にことを進めていました。
4個になって自分の手番が回ってくると、必ず負ける。
ただし、次のことに気付いた人はまだ誰もいませんでした。
4個になって自分の手番が回ってこないようにすることは、不可能。
ただし、自分以外の勝敗を握ることは、可能。(たとえば、自分の手番で4個にすれば、次の順番の人を負けさせ、その次の人を勝たせることができる)
そのような状況では、自分はどうすればよいか? という、実は難しい問題でした。
ヒントは、「トータルの点数」に注目することにあります。
もしトータルの点数に偏りがない間(たとえば1回戦目)はまだ手の打ちようがないのですが、偏りが生じた時点で、それを見ながら、「トータルの点数で、自分は『誰に』負けないようにすればいいか」が判断のポイントとなります。
そこで、2人の時には先攻・後攻を決めるのが重要であったことと似て、3人の時は「右回りか左回りか」を(選べるチャンスがあれば)選ぶことが重要になってくる、というような問題でした。(私が考えたのは、それぐらいです)
パターンは有限なので、他にも調べれば面白い(あるいは自明に過ぎない)性質が発見できると思います。
【補足】
T君が一人、「毎回1位で勝ち続けることには無理がありそうだ。だから、トータルで勝つためには、時々3位の人に勝ちを譲ってバランスを取る」ことの重要性に薄々気付いているようでした。ただ、今回はその方針から取った作戦が、初見ということもあって十分功を奏さず、最終的な勝ちを逃してしまいました。それで悔しい思いをしたようでした。しかし、「勝ち続ける」というところから視点をふっと変えられたところに、今回は負けてもそれは結果であって、結果にとどまらない一歩があったように感じました。