「山びこ通信」2015年度冬学期号より下記の記事を転載致します。
『ことば』(2年)『ことば』(2〜4年)
担当 福西 亮馬
2〜4年クラスでは、百人一首をしています。一年前に比べると、生徒たちはうんと強くなりました。初めの頃、私は生徒全員を相手にしても負けなかったのですが、今では立場逆転、私一人ではもう生徒たちにかなわなくなりました。この間は源平戦で勝負しましたが、生徒二人対私とで80対20でした。生徒たちの圧勝です。(本当は50枚取った時点で終わりなのですが、生徒たちが「まだ!」と言うので続けた結果です)。お気に入りの札が取れた時は、生徒たちは本当に嬉しいようです。また、大山札は普通の札と違う読み方をしなければならないことなど、私の方がむしろ生徒たちから教わるケースも出てきました。自分から欲した知識は定着度も違います。そのように興味を維持し続けていることには、次々といいことがあるようです。「継続は力なり」というのは本当だと思います。私も嬉しいです。
2年クラスでは、最近までマンツーマンで漢字の調べ学習をしてきました。R君は『下村式 唱えておぼえる漢字の本』がお気に入りです。その本で調べたことを書いた画用紙を、山の学校の壁に一枚ずつ貼り出しています。この間、天井近くの四方の壁が埋まりました。目次を入れて三十五枚ありました。漢字の取り組みである一方で、R君が書きながら「こうしよう」「ああしよう」と発する言葉から、R君の考えに触れることがあります。たとえば注意事項に凝っている時には、「『牛』→午みたいにならないようにしよう」「『干』は、1かくめが千みたいにならないようにちゅうい」など、どのように表現すればそれが伝わるかを二人で相談しながら書きました。また漢字のイメージを漫画にするなど、その都度R君がアイデアを言い、私がそれをリピートするような時間が流れています。一方、学期の途中から参加されたT君は、ことわざに興味があります。漢字とことわざ。お互いに刺激が得られればと思います。本読みでは、一回ずつ読みきりにできる昔話を音読してもらっています。雪の日は『鶴の恩返し』、節分では『一寸法師』というように、折に触れ、季節と日本語との呼応をできるだけ深く味わってもらおうと思っています。会話文にも気持ちを込めて読んでくれているこの頃です。